舞台『MOTHERマザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』初日レポート
この度、舞台『MOTHERマザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』が初日を迎え、大盛況のうちに幕を開けました。この作品は、特攻隊員たちを支えた実在の女性、鳥濱トメの目線からその生き様を描き、戦後72年を越えて心に響くメッセージを届けています。
開演前の囲み取材
開演直前には、主演の大林素子さん(鳥濱トメ役)と、脚本・演出を手がける藤森一朗さんへの囲み取材が行われました。藤森さんは、この舞台を通じて「戦争に対する理解を深める機会になる」と述べ、トメの物語を通じて事実の伝達に重きを置いていると語りました。
一方、大林さんは「子供の頃から演劇への憧れがあった」と述べ、この作品の特異性についても触れました。「普通の戦争作品に比べて、戦後の米兵の姿も描かれており、特攻隊員を見送るトメさんの姿が心に残ります」と、深い思いを語りました。
圧巻の舞台パフォーマンス
本番では、出演者たちがそれぞれ異なる一面を見せながら、観客を魅了しました。大林さんやお笑い芸人のワッキーさん(特攻隊隊長・久保田利雄役)は、普段の顔とは一変し、重厚感のある演技でストーリーを展開。観客の中には感動のあまり涙を浮かべる姿も多く見受けられました。
舞台終了後には、観客とキャストの心温まる交流もあり、大林さんは観客と一緒に写真を撮ったり、会話を楽しんだりしました。「平和について考えさせられた」、「ぜひ家族と再度観に行きたい」といった声が多く寄せられ、観客は皆、今回の舞台に満足している様子が伺えました。
あらすじ
舞台は、大東亜戦争末期に設定されています。日本が戦況の悪化の中、特攻攻撃を採用する時代、その出撃前に若い特攻隊員たちが足を運んでいたのが「富屋食堂」です。食堂の経営者、鳥濱トメは、彼らの心の支えとなっており、母親のように慕われていました。彼らはトメと共に飲み、歌い、語らいながら、出撃の覚悟を決めていくのです。出撃の瞬間、彼女がただ見守ることしかできない切ない情景が描かれ、多くの人々の心に余韻を残します。
公演情報
舞台『MOTHERマザー』は、10月5日から東京公演がスタートし、全国3つの会場での公演が予定されています。
- - 東京公演: 10月5日(木)〜10月9日(月・祝) @新国立劇場/小劇場
- - 静岡公演: 10月18日(水) @静岡市清水文化会館マリナート劇場/小ホール
- - 岐阜公演: 10月21日(土) @不二羽鳥文化センター/小ホール
チケットは各地で前売り・当日ともに販売中です。平和について深く考えさせるこの舞台は、過去の事実に目を向ける素晴らしい機会となることでしょう。