福山・鞆の浦にオープンした『santo』の魅力
広島県福山市に誕生した新たな観光スポット『santo(サント)』は、ものづくりをテーマにした空間として注目を集めています。2022年8月8日にオープンしたこの施設では、伝統的な製造技術を活かしたオリジナル製品が製造・販売されており、訪れる人々に新たな体験を提供しています。
伝統技術を生かす『santo』の設計
『santo』の設計を手掛けたのは、近畿大学の前田圭介教授。彼の作品には、国際的に評価される『ホロコースト記念館』などがあり、優れたデザイン性が際立っています。『santo』もまた、温かみのある力強い空間を実現しており、鉄骨の構成においても独創的なアプローチが取り入れられています。この施設は、スレートで被われた工場団地の中でも、新たなランドマークとしての役割を担うことを目指しています。
鍛冶技術の継承と新たな価値の創造
運営する株式会社三暁は、精密な切削加工技術を用いてクレーンや橋、エレベーターなどを製造している企業です。しかし、同社は老舗の錨製造会社を引き継ぎ、古くから伝わる『鞆鍛冶』の技術を家具制作に応用したブランド『TAonTA』や、アウトドア用の調理器具『cocinero』といった新たな商品群を展開しています。特に『TAonTA』の家具は、型を使用せず鉄を直火で焼いてハンマーで成形する自由鍛造を採用し、特徴的な風合いを持っています。
鍛造体験プログラムの魅力
『santo』では、ただ製品を展示・販売するだけでなく、訪れる人が実際に『鍛造体験プログラム』に参加できるスペースも設けています。これは地元学生向けに実施してきたプログラムを一般向けに拡張したもので、技術の啓蒙活動として大変注目されています。参加者は、実際に鍛造体験を通してものづくりの楽しさや難しさを体感できるのです。
ブランドの独自性と製品の魅力
『cocinero』のフライパンは、伝統的な「鍛接」という技術を使って製造され、パン部と持ち手が1つの素材のように仕上げられています。さらにCNC旋盤による加工で、錆びにくい処理が施されており、実用性とデザイン性を兼ね備えた製品となっています。このように、技術とデザインが融合した製品は、訪れる人々に魅力的な体験を提供します。
地元観光と連携した新たな価値創造
『santo』は鞆の浦という観光地に隣接し、地域の観光産業とのコラボレーションも視野に入れています。地元の文化や観光資源を活かしながら、訪れる人々に新たな価値を提供し、鞆の浦の活性化にも寄与することを目指しています。
施設概要
- - 所在地: 広島県福山市鞆町後地26-30
- - 電話番号: 084-983-5551
- - 営業時間: 11:00~17:00
- - 定休日: 土曜、日曜、祝日
『santo』は、これからのものづくりの重要性を実感し、自身で手を動かして作る楽しさを再確認できる貴重なスポットです。訪れる価値のある場所となること間違いなしです。