ジョンソンコントロールズが新たに発表した熱管理設計ガイド
2026年2月2日、アメリカのミルウォーキーから、ジョンソンコントロールズが新たにリリースした「リファレンス設計ガイド・シリーズ」が注目を集めています。このシリーズは、ギガワット級のAIデータセンター向けに特化しており、熱管理の全体的な構成を見渡すことができる設計指針を示しています。特に、多様なラック密度や気候条件、高地補正にも対応する冷却アーキテクチャが記載されています。
ガイドの内容と特長
最初に公開されたガイドは、水冷チラープラントに焦点を当て、詳細な設計指針を提供します。今後は、空冷や吸収式チラーに関するガイドも順次追加される予定です。これにより、AI技術の進展に伴うデータセンターの規模や複雑性への対応が期待されています。
特に、ギガワット級の熱負荷を効果的に管理することが、AIイノベーションを支えるための重要な要素となっており、同時にエネルギー効率が求められています。ジョンソンコントロールズのこのガイドは、エネルギー効率(PUE)や水使用効率(WUE)を業界のトップレベルに引き上げ、さまざまな気候や運用要件にも柔軟に対応できるアプローチを提案しています。
統合されたサーマルアーキテクチャ
このガイドでは、液冷および空冷のIT負荷を同時にサポートする統合サーマルアーキテクチャについても解説されています。具体的には、CRAH(コンピュータルーム・エアハンドラ)、ファンコイルウォール、CDU(クーラント・ディストリビューション・ユニット)、高効率のYORK®遠心式チラーをビルオートメーションに統合し、220MW級セグメントの容量設計などが含まれています。また、次世代GPUを支えるためのTCS(テクノロジー・クーリング・システム)ループなど、主要な設備ループ全体の温度管理と運転条件を詳述しています。
期待される成果
本ガイドによる主な成果は以下の通りです。
1.
水使用ゼロ:ドライクーラーを用いた無給水の放熱プロセスにより、運用コストを削減し、サステナビリティ目標の達成を進めます。
2.
将来拡張に備えた柔軟な熱設計:高温TCSループへの対応により、次世代GPUアーキテクチャとの互換性を確保します。
3.
高密度AIの最適化:NVIDIA DSXリファレンスアーキテクチャとの整合性を持つことで、ギガワット級AIファクトリーのスケーラブルな展開を支援します。
4.
エネルギー高効率運用:高温コンデンサ水、二重化(分岐)ループ、YORKの高リフトチラーを活用し、業界最先端のPUEと年間効率を向上させます。
ジョンソンコントロールズのグローバル・データセンター・ソリューションズのバイスプレジデントでありゼネラルマネージャーのオースティン・ドメニチは、「AIファクトリーは産業規模で知能を製造する場所です。我々のリファレンス設計ガイドは、ギガワット級のAIインフラをスケーラブルで繰り返し可能、かつ持続可能に展開できるよう支援します」と語っています。
この新しい設計ガイドは、データセンター業界の変革を促進し、より効率的で持続可能な冷却ソリューションを提供するものであり、今後の展開に大いに期待が寄せられています。
会社概要:ジョンソンコントロールズ
ジョンソンコントロールズは、130年以上続く歴史を持つグローバルリーダーであり、スマートで健康的、そしてサステイナブルな建物を実現することを使命としています。データセンター、空港、スタジアム、医療施設など多岐にわたる環境でのサービスを提供しており、その革新性は業界内でも高く評価されています。