カナダでのLNGプロジェクト、初出荷成功
日揮ホールディングス株式会社が推進するLNG Canadaプロジェクトが、2023年6月30日に初めての液化天然ガス(LNG)の出荷を達成しました。このプロジェクトは、海外EPC事業会社の日揮グローバル株式会社と米国のフルア・コーポレーションが共同で取り組んでいるもので、カナダの西海岸に位置しています。
LNG Canadaプロジェクトは、年産最大で1,400万トンのLNGを生産する能力を有し、これから40年間の運営が見込まれています。このプロジェクトが進行する背景には、カナダが豊富で低コストな天然ガスの供給国としての位置づけを強化する目的があります。従来の石炭や石油と比較すると、環境負荷が低い天然ガスは、今後のエネルギー供給において重要な役割を果たすと期待されています。
・## プロジェクトの効率化
今回の日揮グローバルとフルアによるジョイントベンチャーは、革新的なモジュール製作工法を採用し、建設現場の準備作業と建設工事を平行して進めました。このおかげで、プロジェクトスケジュールが大幅に効率化され、215個以上のモジュールが2022年1月から2023年7月にかけて無事に納入・設置されました。中でも最大のモジュールは、幅約45メートル、奥行き約75メートル、高さ約47メートルという規格外の大きさを持っています。
また、プロジェクトの重要な要素の一つとして、世界で2番目に大きなLNG貯蔵タンクの建設も進められています。このタンクは、高さ56メートル、直径75メートル、容積22万5,000立方メートルを誇っており、運用開始後にはLNGの安定供給に寄与することが期待されます。
・## 日揮グループの取り組み
日揮グループは、このカナダのプロジェクトだけでなく、アラブ首長国連邦向けのルワイスLNG新設プロジェクトやモザンビーク向けのロブマLNGプロジェクトなど、複数の電動式LNGプロジェクトにも取り組んでいます。マレーシア向けのニアショアFLNGプロジェクトやインドネシアのTangguh UCCプロジェクトにおいても、日本企業として国際的なエネルギー市場への貢献を目指しています。
これらのプロジェクトは、エネルギートランジションの実現に向けた重要なステップであり、日揮グループのパーパス「Enhancing Planetary Health」を実現するための取り組みの一環ともなっています。持続可能なエネルギー供給へのシフトが求められる中で、日揮グループは今後も国際的な活動を強化し、エネルギーの未来を切り拓いていく姿勢を示しています。
・## 結論
このように、カナダのLNG Canadaプロジェクトの初出荷は、単なる商業的成功にとどまらず、環境への配慮やエネルギー供給の多様化を促進する重要な一歩となります。日揮グループが果たす役割は、国際的なエネルギー市場において一層重要性を増すことでしょう。