ガラス剥離装置開発
2025-06-04 13:36:52

パナソニックHDとNKRC、ガラス扉冷蔵庫用新技術を発表

パナソニックHDとNKRC、革新的なレーザー剥離装置を開発



パナソニック ホールディングス株式会社(パナソニックHD)と西日本家電リサイクル株式会社(NKRC)は、協力してガラス扉冷蔵庫のリサイクル工程を革新する「レーザー剥離装置」を開発しました。この装置は、ガラス扉冷蔵庫からガラス板をレーザー技術を駆使して簡単に分離できることを目的としています。これにより、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に一歩近づくことが期待されています。

家電リサイクルの現状



2001年から施行された家電リサイクル法により、多くの使用済み家電がリサイクル工場に持ち込まれるようになりました。冷蔵庫はその中で特に重要な位置を占めており、年間で334万台が処理されるとされています。しかし、冷蔵庫のリサイクルには多くの困難が伴います。中でもガラス扉の冷蔵庫は、ガラスと他の素材が複雑に結合しているため、分別が難しく、この問題に対処する新たな技術の必要性が高まっています。

レーザー技術の応用



2008年以降、家電メーカー各社はガラス扉を採用した冷蔵庫を市場に投入してきましたが、これに伴い、リサイクルの際のガラス部材の処理が一層の課題となりました。パナソニックは2019年からこの問題を解決するための研究開発を行い、2022年にレーザーによってガラス裏面の有機塗料を炭化させる技術を完成させました。この技術により、ガラス板は安全に剥離されることが可能になりました。

取り組みの進展



一方、NKRCは、廃ガラス扉冷蔵庫の増加により、手作業での解体作業による労働安全への影響を考慮して、分解工程の自動化を考えていました。両社の考えが一致し、2023年から冷蔵庫用のレーザー剥離装置の共同開発に着手しました。このプロジェクトによって、ガラス剥離作業の効率化と安全性の向上が期待されています。

装置の特長



新たに開発されたレーザー剥離装置は、冷蔵庫のガラス扉からガラス板だけを選択的に剥離することができる点が特長です。これにより、リサイクルプロセスが簡便化され、ガラスの純度を高めて再利用を促進します。さらに、装置の設置には約2.5m x 1.5mのスペースと電力、エアさえあれば稼働可能なため、導入が容易です。

今後の展望



2026年度までにリサイクル工場への装置導入を目指して、両社は共同で取り組みを進め、技術の完成度を高めていきます。今後、パナソニックHDはこのレーザー剥離装置をリサイクル工場に広めるとともに、さらなる用途開発に取り組む予定です。また、NKRCも冷蔵庫に留まらず、他の使用済み家電のリサイクル率向上に貢献する活動を持続的に展開していきます。

持続可能な社会を目指して、今後の動向に注目が集まります。詳細については、プレスリリースもご覧ください。


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会社情報

会社名
パナソニックグループ
住所
大阪府門真市大字門真1006番地
電話番号
06-6908-1121

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