パーパスブランディングの現状と業界別の施策の差
はじめに
企業の存在意義や理念が特に重視される時代において、パーパスブランディングが注目を集めています。株式会社朝日広告社は、社員とその他のステークホルダーの両方が誇れるブランドへ育てることで、その認知と浸透を進める取り組み、"ASAKO Brand PRISM"を提供しています。最近、同社は従業員数300人以上の企業を対象に、業界内の50以上のグループにおけるパーパスの浸透状況を調査しました。本記事では、その調査結果を基にパーパスブランディングの重要性や、業界別の浸透施策の特徴を詳しく見ていきます。
調査概要
本調査は、全国の従業員300名以上の企業に雇用されている正社員5,621名を対象に実施されました。調査期間は2026年1月29日から2月9日までの約2週間で、インターネットを利用したアンケート形式で行われました。調査の趣旨は、パーパスの浸透に関する実態を把握し、業界ごとに適切な施策を見出すことです。
パーパスの認知と浸透
調査の結果、パーパスを知ったきっかけとして最も多かったのは「経営トップからの発信」で、63.1%の社員がこの情報源から始めることがわかりました。次いで「社内研修・イベント」や「社内向け情報発信」で、これらの施策が社員に強い影響を与えることが確認されました。ただし、パーパス浸透に最も寄与した取り組みも同様に経営トップからの発信であり、39.3%の人々がこの手段を評価しています。このことから、トップダウンの情報発信がある程度効果的であることがわかりますが、特に印象に残っていないとする声も多く、複数の取り組みが連携することの重要性が強調されます。
業界別のパーパス規定状況
全体でパーパスを具体的に規定している企業は3割であり、これにパーパスに関連するものを加えると6割まで上昇します。特に「銀行・信託」や「保険業界」ではその割合が5割を超えており、逆に「自動車修理業」では最も低い結果が出ています。この業界間の価格差はおおよそ2倍であり、パーパスの重要性は業界によっても大きく左右されることがわかります。
パーパス認知の入口の類型
調査により、パーパス認知の入口は業界ごとに異なることが明らかになりました。3つの類型に分類でき、“社内施策型”では経営からのプロセス、社内研修、業務制度への反映が中心です。これらは特に情報サービス業や飲料業界で顕著でした。一方“社外接点型”では、自社の広告やSNSなどの外的アプローチが重視され、理容業や美業界に多く見られました。
結論
調査結果から、パーパス浸透のための取り組みは業界ごとに異なり、一つの施策では効果が薄い可能性があることが浮き彫りになりました。企業は特に経営トップからの明確なメッセージに加え、社内での対話や他の施策と連携させていく必要があると考えられます。これにより、より多くの社員にパーパスを浸透させ、ブランドの価値を高めていくことが期待されます。今回の調査結果は、特定の業界の特性を考慮しつつ、各社がどのようにパーパスを強化し、認識を深めていくかの指針となるでしょう。