小樽に新たに現れる「未病院」が目指す健康の未来

小樽に新設される「未病院」プロジェクトの概要

小樽市が進める「未病院」構想は、地域住民の健康をサポートする新たな拠点を目指しています。この「未病院」は、従来の病院が病気を治すための施設であるのに対し、日々の健康を維持し、健やかな生活を送るための場所です。このコンセプトは、健康行動の促進と、地域住民間の絆の強化を狙いとしています。

未病院のコンセプト

「未病院」の最大の特徴は、リアルとバーチャルの空間を融合させるところです。地域に住む人々、働く人々、また訪れる人々の健康（wellness）を支援するため、身体だけでなく心や人間関係の健康までを含めた総合的なアプローチが求められています。具体的には、ココロ、カラダ、そしてキズナ（つながり）の健康を三位一体で促す活動が計画されています。

小樽の地域課題

小樽市は、商業都市および観光都市として発展してきましたが、最近では人口構造の変化や急速な高齢化、さらには若年層の流出といった地域振興の課題に直面しています。特に、地域での健康問題、例えば要介護認定率が約25％に上るなど、早急に解決が求められているのです。これまでの特定保健指導実施率はわずかに10％台と低調であり、地域の健康課題は不容（ゆる）されません。

プロジェクトチームのリーダー

この未病院構想を推進するのは、橋本茂樹氏です。彼は、地域のヘルスケアを担う施設や関係者と手を組みながら「小樽“健幸”物語」を創出することを目指しています。具体的には、親子三世代の関係を深め、地域内外の学校や企業との連携を強化する計画も進行中です。

事業計画の策定

2022年3月には、親子三世代をつなげる事業計画が策定され、地域に根ざした健康支援が具体化されています。この計画は、地元企業や学校、さらにはコミュニティ団体とだけでなく、広く外部との連携も視野に入れています。例えば、地域住民が健やかな健康を意識し、自発的に活動したくなる仕掛けをつくることが重要です。

参加者を募集中

また、実行委員会のメンバーを広く募集しており、企業や団体のみならず、自治会や学生もその対象です。この活動を通じて、自分たちの健康に対する意識を高め、地域の人々と共にさまざまなアイデアを実現することが期待されています。

今後のスケジュール

今後は、実行委員会の設立や健康事業の検討が予定されています。具体的には、12月中旬から健康課題の解決に向けた活動を開始し、来年2月には「済生会ウエルネスDay」というイベントを企画しています。そこで地域の人たちが一堂に会し、健康について語り合う場を設ける予定です。

「未病院」構想は、健康をテーマに地域を活性化させる挑戦の一環であり、これからの小樽市における「健幸」な未来へと繋がる重要なプロジェクトです。地域の皆さんと共にこの取り組みを進めていくことが期待されていますので、ぜひ注目していきたい分野です。