金融庁、アスカ監査法人に業務改善命令及び処分を実施

金融庁は、令和7年1月17日にアスカ監査法人に対する処分を発表しました。この決定は、令和6年11月1日に公認会計士・監査審査会から受けた勧告に基づいています。アスカ監査法人は、東京都港区に所在し、その法人番号は9010405004181です。

処分の内容としては、6か月間の新規契約締結に関する業務の停止と、業務の改善命令が含まれています。具体的には、令和7年1月20日から7月19日まで、新しい契約を結ぶことが禁止されます。業務改善命令の内容では、経営陣は監査品質の向上に向けた根本的な取り組みを行わねばなりません。これは、内部の倫理観を強化し、職業的専門家としての誠実性を維持するための措置です。

今回の行政処分は、アスカ監査法人の運営において、「著しく不当なもの」と認定される数々の問題が発覚した結果です。具体的には、業務の管理体制や監査品質の維持に関する重大な欠陥が確認されました。過去の審査会からの指摘にもかかわらず、新規顧客を重視するあまり、監査の質を重んじる文化が醸成されていないとの報告があります。

特に注目すべき点は、業務執行社員が監査報告書に関連する手続きを適切に行わない場合や、監査調書の不適切な変更が行われる事態が報告されています。このように、アスカ監査法人は法令や監査基準、倫理規則の遵守に関する意識が不十分な状況であることが明らかとなりました。

また、経営側の姿勢として、収益の維持・拡大を重視するあまり、監査の質を維持するための施策が十分に議論されていないことが問題視されています。このため、業務執行社員は監査契約の新規締結を行う際に、監査手続きに必要な十分かつ適切な証拠を得ることなく終了させてしまう事例が見受けられます。こうした背景の中で、アスカ監査法人の個別監査業務は、全体として著しく不適切なものとされています。

そのため、金融庁は以下のような業務改善命令を出しました: 1) 監査業務を行う上での倫理観を重視し、業務執行社員が法令を遵守するための体制を整えること。 2) 検査やレビューで指摘された問題の根本原因を分析し、改善策を実施すること。 3) 現行の監査基準に従った手続きを実施する体制を強化すること。

金融庁は、今後、アスカ監査法人が提出する業務改善計画を2027年2月17日までに実行するよう求めており、その後の進捗状況を報告することも義務付けています。このような措置は、監査法人の品質向上と信頼性の確保に向けた重要なステップとされています。信頼のおける監査業務が求められる中で、アスカ監査法人の今後の対応と改革に注目が集まります。

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。