ニッピが発見した光老化抑制効果を持つコラーゲンペプチド
株式会社ニッピによる最新の研究が注目を集めています。ヒト皮膚の表皮細胞を利用した実験において、コラーゲン由来の環状ジペプチド「cyclo(X-Hyp)」が紫外線による肌の光老化を効果的に防ぐことが確認されました。特にこのペプチドは肌に高い透過性を持っており、塗布時にその効果が期待できるのです。
光老化のメカニズム
光老化とは、紫外線に長時間さらされることで引き起こされる肌の老化現象です。シワやたるみ、乾燥などがその代表的な症状であり、主な原因は紫外線によって過剰に生成される活性酸素種(ROS)です。これらのROSは肌細胞に酸化ストレスを与え、炎症反応を引き起こします。そして、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と呼ばれるコラーゲン分解酵素の発現を促すことで、肌の基底膜にあるIV型コラーゲンを過剰に分解させ、結果的に肌の状態を悪化させるのです。
cyclo(X-Hyp)の効果
この研究では、環状ジペプチドであるcyclo(X-Hyp)の観察により、UVB(紫外線B波)によるダメージを受けたヒト皮膚表皮細胞の研究が行われました。その結果、cyclo(X-Hyp)が細胞内のROSを効果的に減少させることが分かりました。さらに、このペプチドはUVB照射により引き起こされる炎症反応や、コラーゲン分解酵素であるMMP-2、MMP-9の活性化を抑制することが確認されました。
皮膚透過性の評価
研究の進行に伴い、cyclo(X-Hyp)の皮膚透過性も評価されました。ヒトの皮膚組織を対象に試験を行ったところ、このペプチドはX-Hypよりもさらに効率的に皮膚を透過することが示されました。結果的に、塗布から24時間後には含有量の7%から10%に達することが判明しました。
この顕著な皮膚透過性は、環状構造が持つ高い疎水性と酵素による分解耐性が関与していると考えられています。つまり、cyclo(X-Hyp)はその構造のおかげで肌の深部に浸透し、実際の効果を発揮する可能性が高いのです。
まとめ
本研究により、cyclo(X-Hyp)が肌の光老化を抑制する能力を持つことが明らかになりました。特にUVBによるIV型コラーゲンの減少を回復させる点は、このペプチドが肌の健康を保つために役立つ可能性を示しています。今後、cyclo(X-Hyp)は化粧品素材や健康食品素材として広く利用されることが期待されています。ニッピが発表したこの新しい研究成果は、2025年8月24日に国際学術誌「Photochemistry and Photobiology」に掲載される予定です。
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