ダイバーシティ円卓会議が探る傾聴力の重要性
働く人々の57%が課題と感じている「傾聴力」。この問題を解決するために、ダイバーシティ円卓会議が立ち上がりました。その内容は、悲しみを抱える人々との接し方や、耳を傾けることの必要性についてです。2025年2月、4週にわたって、臨床傾聴士である土屋典子氏を議長に迎えたこの会議は、参加者が多様な視点や体験を共有する場となり、議論が繰り広げられました。
ダイバーシティ円卓会議とは?
この会議は、2000年に始まり、3700を超えるテーマにわたり議論を進めてきました。登録したさまざまな背景を持つ働く男女が集まり、専門家の視点を交えながら、多様な意見を聞くことが目的です。ダイバーシティ人財の育成を進める中で、多様な見方を知り、考える力を高められるよう設計されています。
「悲しみを抱える人の傾聴力」についての議論
3768テーマ目では、「悲しみを抱えている人の話、傾聴する力がありますか?」という問いが立てられました。議長の土屋氏は、「悲しみから早く回復することを求められることがあるが、その過程でさらに傷ついてしまうケースも多い」と指摘します。傾聴や共感についての自問自答を促し、どのように接するべきかを参加者に問いかけました。
参加者の意見と体験
2日目に入ると、参加者のうち45%が「傾聴する力がある」と応えたものの、その他の意見として「距離を置いてしまう」といった声も多く寄せられました。この傾聴がうまくできないという悩みは、特に震災や自然災害において被災者に寄り添う上での重要な課題となりました。土屋氏は、「何がなんでも解決しようとしなくても良い」との意見も出し、参加者同士の共感を深めることが重要であると強調しました。
3日目には、傾聴ができなかった体験談が共有され、参加者は「つい自分が先にしゃべってしまう」「相手の求めるものが分からなかった」といった反省点を語りました。土屋氏は、自らの経験を交えて、効果的な傾聴の重要性を再認識させました。そして最終日には、「傾聴力への課題」を57%が感じており、働く男女が共通の問題として認識していることが明らかになりました。
今後の展望
次回の円卓会議では、「AI時代における日本」や「日本酒のユネスコ世界遺産登録」など、新たなテーマが予定されています。このようにして視点を共有することで、ダイバーシティ社会の実現に向けた新しい一歩を踏み出していくことが期待されます。情報の共有を通じて、より良いコミュニケーションの実現を目指すダイバーシティ円卓会議に、注目が集まることでしょう。