AI活用の新たな一手:博報堂の広告最適化
株式会社博報堂DYホールディングスと博報堂テクノロジーズが、広告パフォーマンスの向上を目指す新機能を搭載した統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVE BLOOM TEXT Ads」を発表しました。このプラットフォームは、リスティング広告のレスポンシブ検索広告(RSA)のデッキを自動で最適化する機能を備えており、社内での活用が始まっています。本記事では、この新機能の背景やメリットについて詳しく見ていきます。
リスティング広告の課題
リスティング広告において、特にRSAの運用は、その効果を最大化するために様々な見出しや説明文を組み合わせて最適解を探り出す必要があります。しかし、従来はこの作業が手作業で行われ、多大な労力と時間を要していました。このため、高速なPDCAサイクルを実現できずにいたのです。
新機能の概要
新しい機能では、運用者が簡単にデッキを生成できる「デッキ生成」ボタンをワンクリックするだけで、RSAデッキを瞬時に自動生成できます。これにより、運用者は手間を大幅に削減し、迅速な効果測定や最適化が可能になります。
1. スピーディーな最適化探索
新機能には、独自のロジックを使用して広告文の組み合わせを迅速に探索する機能が含まれています。これにより、多くの広告文から最適な組み合わせを特定し、その可能性のあるスコアも即座に算出されるため、運用者は効率的に広告効果を予測できます。
2. 訴求軸の自動付与
各広告文に対して訴求軸を自動的に付与する機能もあります。これにより、RSAデッキの構築が一層円滑に進むだけでなく、広告戦略の意図を明確化しやすくなります。
3. 提案理由の生成
生成されたRSAデッキに対する最適化理由を提示する機能も搭載されています。この機能は、運用者がAIによる最適化結果を理解しやすくするためのもので、意思決定をサポートします。
今後の展望
今後は、既存のRSAデッキから改善が必要な広告をAIが自動的に検知し、新しい最適デッキを提案する機能も開発される予定です。博報堂DYグループに属するAI専門家集団HCAI Professionalsが開発に携わり、クライアントのマーケティング活動を支援するAIエージェントの開発を推進します。
「CREATIVE BLOOM TEXT Ads」とは
このツールは、検索連動型広告の効率的かつ効果的な運用を実現するための製品です。広告文生成AIがさまざまな広告文を生成し、その効果を事前に評価することが可能です。質の高い広告運用を実現し、広告主にとっての投資対効果を最大化する機会を提供します。
統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」
2024年6月には、新たに統合マーケティングプラットフォーム「CREATIVITY ENGINE BLOOM」も開発される予定です。これはメディアビジネスやデジタルマーケティング業務を一元管理し、クリエイティブ制作などの領域でも利用可能なものです。それにより、運用効率や業務プロセスの標準化が進み、クライアント企業の売上向上にも寄与が期待されます。
今後、広告業界ではAIの活用がますます進んでいくことでしょう。”