バイオマス発電調査
2021-03-30 13:12:19

バイオマス発電の持続可能性に関する調査結果、海外燃料依存の実態が浮き彫りに

日本におけるバイオマス発電の現状を示す新たな調査結果が発表され、環境NGO FoE Japanによるアンケートの実施が注目されています。この調査は、発電容量が1万kW以上の発電所を持ち、有名な燃料調達を行う企業204社を対象に行われ、回答を得たのは44社でした。

調査の結果、発電所21ヶ所のうち17ヶ所が、計画中の発電所17ヶ所も含めて、輸入燃料の使用を前提にしていることが明らかになりました。特に木質ペレットや木質チップは、アメリカ、カナダ、インドネシアなどから調達される一方、パーム椰子殻(PKS)もインドネシアやマレーシアから輸入される状況が指摘されています。

特に問題視されているのは、燃料の持続可能性と合法性の確認に関してです。稼働中の7発電所が森林認証を確認したものの、実際に供給される燃料自体が十分に認証されていない事例も見受けられました。独自の取り組みで確認していると答えた発電所も多いですが、具体的な証拠や透明性が欠如しています。

PKSを利用している発電所12ヶ所のうち、他の認証制度を利用しているのはわずか1ヶ所。これが示すのは、基準に従った調達がなされていない現状です。FoE Japanによれば、バイオマス材の調達は持続可能な森林管理とは言えず、森林減少や生物多様性への悪影響が懸念されています。

また、企業出資者の多くは森林減少や生物多様性の損失がないと確認しているものの、温室効果ガス(GHG)の排出をライフサイクルで評価している企業は僅か。これでは真の持続可能性を語ることはできません。さらにFoE Japanが行った調査では、日本企業の持続可能性ガイドラインを持つ会社は少数にとどまる結果になったことも示されています。

こうした背景から、国際的にもバイオマス発電は持続可能なエネルギーとしての評価が危ぶまれています。FoE Japanの小松原和恵は、「バイオマス発電は環境に優しいという認識は根本的に見直す必要がある」と警鐘を鳴らしています。国内外の34の環境NGOも、大規模バイオマス発電の抜本的な調査と中止を求める意見書を発表しました。500人以上の科学者が同様の意見書を提出するなど、専門家の間でも危機感が高まっています。

バイオマス発電事業が直面している問題は、企業の持続可能性の態度にも影響を与えています。調査結果は、バイオマス発電の未来とその持続可能性について再評価すべき重要な情報を提供していると言えるでしょう。この問題は日本だけでなく、国際的にも非常に重要なテーマとなっています。今後も引き続き、バイオマス発電とその環境への影響について目を向ける必要があります。

会社情報

会社名
認定特定非営利活動法人 FoE Japan
住所
東京都板橋区小茂根1-21-9
電話番号
03-6909-5983

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