地域活性化の新たな一例!金目鯛ごはんの素が受賞した理由とは
地域創生の取り組み
しんきん地域創生ネットワーク株式会社(以下、しんきん地域ネット)と株式会社T3デザインは、2022年より地域活性化プロジェクトを共同で実施しています。しんきん地域ネットは地域商社やコンサルティングを通じて、地域の事業者が直面する課題の解決に注力しています。一方、T3デザインは長年のブランディングとパッケージデザインの知見をもって、商品の魅力を引き出す役割を果たしています。これまでの協力により、多くの地域産品のリブランディングと商品開発が実現してきました。
今回の取り組みでは、静岡県下田市で行われる「令和5年度下田市競争力強化販路拡大支援業務」を受託し、地元企業が取り扱う商品のブラッシュアップを行った結果、「金目鯛ごはんの素」が誕生しました。この商品の成功の背景には、デザインの力が大きく寄与しています。
賞を獲得した商品の実力
「金目鯛ごはんの素」は、渡辺水産が提供する商品で、静岡県主催の「ふじのくに新商品セレクション2024」で最高金賞を受賞しました。この受賞は、静岡県産の農林水産物を最大限に生かし、新しい加工品を選定する制度によるもので、多くの応募の中から特に品質やデザイン、地域性が評価されました。金目鯛ごはんの素は、静岡の自然の恵みを生かした商品として、業界から高く評価されています。
渡辺水産の紹介
有限会社渡辺水産は伊豆近海の新鮮な水産物を主力に、地域独自のブランドを築いてきました。その品質管理や鮮度保持へのこだわりは、消費者に信頼される商品を提供する原動力です。地域経済の活性化にも取り組み、観光や食文化の発信を通じて地元の魅力を広めています。
デザインの力が開いた扉
今回のプロジェクトを通じて、デザインがもたらす影響についても語られました。プロジェクトに関与した3名の担当者、渡辺水産の代表、しんきん地域ネットの片柳、T3デザインのデザイナー・伊藤が行った対談では、プロジェクトに参加した背景や商品の開発過程について詳しく語られました。
渡辺水産の渡辺氏は、「このプロジェクトに参加したきっかけは、地元の三島信用金庫や商工会からの案内でした」と回顧しました。「毎年こういった地域活性化の取り組みがある中で、新しいデザインへの挑戦は未知の領域でしたが、興味を持ちました」と話しました。
その後、金目鯛の濃縮出汁を使用した商品開発のアイデアが浮かび、しんきん地域ネットの片柳とともにヒアリングを重ねていきました。実際に商品を見せながら、「金目鯛炊き込みごはんの素」の存在を知り、すでにロングセラーである商品をブラッシュアップする提案がなされました。
デザインにおいては、旧商品のファンを大切にしつつ、全く新しい商品として差別化する試みが行われました。添加物の問題が浮上し、無添加で金目鯛の魅力を最大限に引き出す方向性が打ち出されました。
片柳氏は、「質の高さが評価される商品にするため、価格設定も見直しました」と語ります。高価格帯でも売れる製品こそが地域のブランド力を向上させると確信しています。
デザインの反響と今後の展望
デザインへの投資が功を奏し、金目鯛ごはんの素は高級量販店やスーパーに並ぶことが可能となりました。デザインによって販路は大きく変わり、売上も増加しているとの報告があります。実際の消費者層からの反響も好評で、「かわいい」「すごい」といった声が寄せられています。
渡辺氏は「これを機に、デザインに対しての理解が深まり、さらなる地域の商品開発に結び付けられれば」と語りました。このプロジェクトから得られた成功体験は、今後の地域企業にとっても大きな励みとなるはずです。地域創生と事業者支援の取り組みが今後も広がり、地域が盛り上がることを期待しています。
まとめ
しんきん地域創生ネットワークとT3デザインの協力によって誕生した「金目鯛ごはんの素」は、地域の魅力を引き出し、新たな販路を開拓することに成功しました。このような地域創生プロジェクトは、デザインの力によって事業者の価値を引き上げる可能性を秘めています。今後もこの取り組みが全国に広がり、地域経済の活性化に寄与することを願っています。