VRで体験する火災の恐怖、能美防災とグランゼーラの共同制作が始まる

VRコンテンツ「火災臨場体験VR～混乱のオフィス～」の紹介

能美防災株式会社が株式会社グランゼーラと協力し、新たなVRコンテンツ「火災臨場体験VR～混乱のオフィス～」を制作しました。このコンテンツは、法人顧客向けに火災の危険性をリアルに体感できる機会を提供することを目的としています。

制作の背景

近年、工場や倉庫などでの火災事故が相次いでいます。これを受けて、多くの企業は火災に備えた自衛消防体制を強化し、防災教育や訓練の充実を図ろうとしています。しかし、実際に行われているヒアリング調査では、多くの人々が「火災は起こらない」と考えているため、教育の効果が思ったように上がらないことが分かりました。また、防災訓練の参加者を集めることも難しくなっています。そこで、能美防災とグランゼーラは、実際の火災を体験できるVRコンテンツを開発することにしたのです。

コンテンツの特徴

「火災臨場体験VR～混乱のオフィス～」では、炎や煙の表現だけでなく、火災時の人々のリアルな反応まで体験できます。このリアリティのある体験は、人気ゲーム「絶体絶命都市」シリーズを手掛けるグランゼーラによって実現されました。

シーンの内容

このVR体験は、オフィスでの火災をテーマにした3つのシーンから構成されています。
1. 出火したオフィスのシーン：パソコンが燃え広がる様子や、混乱する人々の姿を目の当たりにします。
2. 上階からのシーン：4階にいる人々が鳴り響く警報に対して避難せず、煙が迫ってきた時の恐怖を体験します。
3. 廊下のシーン：警報を疑って避難をせずにいると、非常階段への廊下に煙が充満し、避難が困難になる様子を示しています。

このようなシーンを通じて、火災の危険性をリアルに感じることができるよう設計されています。

未来の展望

能美防災は、まず法人向けにこのVR体験を提供します。体験者からのフィードバックをもとに、新しいシーンの追加や、コンテンツを搭載したパソコンとVRヘッドセットのレンタルサービスを展開する計画です。これにより、より多くの人々に火災の危険性について理解してもらい、安全に対する意識を高めることが期待されています。