企業研修におけるビジネスボードゲームの活用実態と効果
株式会社フィラメントがNTTテクノクロス株式会社と共同で行った調査は、2024年12月から2025年2月の期間中に実施されました。調査の対象となったのは、同社の20代から60代の社員240名で、受講後に196名が回答しました。
調査の背景
NTTテクノクロスはこれまで集合型の社内研修を主流としていましたが、コロナ禍によって研修形式の転換を余儀なくされました。オンラインでは受講の利便性が向上したものの、参加者同士の対話や交流が不足し、学びの定着率が低下するという課題が浮き彫りとなりつつあります。そこで、フィラメントが提供する「ビジネスボードゲーム」を活用した研修の実施が決定されました。
研修プログラムの概要
本プログラムは、「講義で学び、ボードゲームで実践の体験」をテーマに設計されています。受講者は、新規事業に必要な知識や判断力をゲーム形式で楽しみながら学び、講義からのインプットとシミュレーションを通じたアウトプットを繰り返すことで、実践に生かせる知識を身につけます。この研修は、NTTテクノクロスの人材育成と組織力の強化を目指しています。
調査の結果
受講者の意欲
調査では、受講者の約97%が「意欲的に取り組めた」と答えています。「ゲーム形式で楽しく学べた」「集中しやすく、意欲的に取り組めた」とのコメントもありました。ゲーム形式を取り入れたことで、受講者は集中力を維持し、積極的に研修に参加しやすくなったのです。
研修の満足度
満足度に関しては、43.9%が「満足」、53.1%が「大変満足」と回答しました。受講者は「講義とゲームのバランスが良い」「楽しみながら学べた」といったポジティブな意見を述べました。これにより、ボードゲームの形式が研修全体の満足度に寄与したことが確認できました。講義とボードゲームを組み合わせることで、受講者にとって学びの体験がより豊かなものになりました。
実践への移行
研修後のアンケートでは、67.9%の受講者が「実践に移すイメージができた」と答えました。「日常業務に活かせる内容が多かった」との声も多く、実務への応用が期待されていることがわかります。
学びの内容
研修を通じて受講者は自社の強みの活用、顧客ニーズの把握、市場調査や戦略的判断について学ぶことができました。新規事業創出における重要な視点をゲームを通じて理解したことで、理論だけでなく実践的な知識が身についたのです。
研修を実施した担当者の声
担当者は、「研修の評判が広まり、参加希望者が増え続けた。研修でのキーワードが社内の共通言語として定着した」と述べています。この研修は、事業部が新規事業に対して前向きな態度を持つきっかけとなり、組織内の変化を実感できる結果となりました。
まとめ
この調査から、ビジネスボードゲームを活用した研修が受講意欲や集中力の向上、理解の促進、共通認識の形成に寄与することが明らかになりました。企業研修において、特定のテーマに対する関心を高めたり、楽しみながら習得しやすくしたり、共通言語を根付かせたる手法としてボードゲームは非常に効果的であると感じられます。また、フィラメントの『Biz Builder』はその代表的なプログラムとして、多くの企業に新規事業創出の支援を行っています。