発達特性の開示意識調査の結果
発達障がいやグレーゾーンの子どもを持つ親たちの意識は、社会的な偏見や誤解によって大きく影響されています。株式会社ZIZOが運営する子ども向けSNS「テテトコ」が実施した調査によれば、実に77%以上の親が周囲に子どもの発達特性を開示することを控えていることが明らかとなりました。
なぜ開示を控えるのか?
調査結果では、周囲に言わない理由として最も多かったのが「誤解や偏見を持たれる恐れがある」というもので、43.4%の親がこの理由を挙げています。次いで「子どもの交友関係に悪影響が出るかもしれないから」と答えた親が33.9%であることからも、親たちの心理的防御がよく表れています。このような懸念があるため、助けを求める際にも大胆さが欠けてしまうことが考えられます。
特に「グレーゾーン」の子どもを持つ親に絞った結果では、85.7%という高い割合で周囲への開示を控えています。このグレーゾーンの子どもは、通常級に在籍している場合が多く、周囲の目を強く意識せざるを得ない状況があるため、このような結果が出たとも考えられます。
孤立化の危険
当事者家族が周囲の友人やママ友・パパ友とあまり交流できない場合、次第に孤立化してしまう懸念があります。子どもの発達特性の話を避けることが多いため、自然に会話に入ることが難しく、人間関係が希薄になりがちです。これが子育て情報の交換を阻害し、さらには心理的な負担となるのです。
一方で、発達特性を周囲に明かすことで生きやすさが向上する場合もあるため、状況に応じて意思決定を自由に行える環境が求められます。それは親自身がどれほど安心できるかにも関わっています。
必要とされるつながり
さらに、発達障がいを持つ子どもを育てる親同士の交流が減少していることも問題です。共通の経験や知識を共有できる機会を得ることで、親たちは心の支えを見つけやすくなるでしょう。発達特性は外見では判断できないため、通常級に通う子どもを持つ家庭が気軽に集まれる場作りが大切です。
このような背景を受けて、「テテトコ」アプリでは、発達特性を持つ子どもを育てる親同士がつながりやすい環境を提供することを目指しています。発達特性を紹介できるカード機能を導入し、同じような特性を持つ子どもを育てるユーザーが気軽に交流できる仕組みを整えています。2024年6月にはβ版がリリースされる予定で、正式版も今夏中に登場する見込みです。
ZIZOのビジョン
株式会社ZIZOは、クリエイティブ・エージェンシーとして、Webデザインやプロモーションなどを手掛けており、「ワクワクする事をひとつでも多く!」というビジョンを掲げています。「テテトコ」は、同社初の自社開発アプリとして、発達特性を持つ子どもたちとその家族に寄り添うプラットフォームへと成長していくことでしょう。これからも、発達特性に対する社会的理解と受け入れが進むことを願ってやみません。