ドローン点検スペシャリスト資格創設！マンション点検のプロを育成する新コース

2025年に新たな資格が誕生

近年、技術の進化とともにドローンの需要が急速に高まっています。特に、建物の点検分野においては、外壁へのアクセスが困難な高層ビルやマンションの点検が課題となっています。そこで、一般社団法人日本UAS産業振興協議会（JUIDA）、株式会社東急コミュニティー、株式会社ハミングバードの三社が連携し、新たに「ドローン点検スペシャリスト」という資格を設立しました。この資格は、2025年6月に登場する予定で、特にマンション外壁の点検におけるドローン操縦者の育成を目的としています。

この新しい資格は、ドローンによる点検作業に対する需要の高まりを受けたものであり、特に専門技術を有する操縦者の育成に力を入れています。ドローンの運用に必要な知識と技能を備えた人材を育成し、即戦力として現場で活躍できるように設計されています。

ドローン警察に寄せられた深刻な声

特にマンションや高層ビルの点検においては、外壁の目視点検が難しいことから、以下のようなニーズが高まってきています。

- 外壁点検の効率化: 目視だけでは確認が難しい高所部分の点検がドローンを使うことにより簡易化されます。
- コストと時間の削減: ドローンを使用することで、従来の点検方法に比べて費用を大幅に削減することが可能です。
- 客観的なデータ提供: ドローンによって得たデータ（たとえば赤外線画像など）を基に、より正確で客観的な点検結果を提供できます。

2022年12月には、ドローン操縦士の国家ライセンス制度が始まって以降、資格保有者は増えていますが、現場からは「資格を持つ者がいるが、即戦力として活躍できる操縦者がいない」という深刻な声が聞かれています。多くの場合、資格を取得しても実際には現場で求められる技術や知識が不足していることが問題として指摘されています。このような状況から、スキルと現場ニーズの間にギャップが生じており、それがドローンの産業利用の停滞の要因となっています。

三社の強みを融合した新しい資格

この課題を解決するために、JUIDA、東急コミュニティー、ハミングバードの三社は、それぞれの強みを活かして「ドローン点検スペシャリスト」という資格を共同で設立しました。

- JUIDAは日本のドローン業界を牽引する立場から、専門的なカリキュラムを監修。ドローンの運用に関する重要な知識を提供します。
- 東急コミュニティーは、管理しているマンションやビルの現場に精通しており、実際の業務ニーズに基づく教育を展開します。
- ハミングバードは、ドローンスクールのリーダーとして、年間受講者数No.1の実績を有し、実践的な教育を担当します。

特にこの資格は、取得後すぐにマンション点検の現場で活躍できるように設計されており、教育プログラムは実践重視です。今後の講座の詳細は、2025年6月に開催される『Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2025』で発表される予定です。

社会実装に向けた取り組み

この新資格によって、ドローン操縦士の育成と仕事の場をつくることが目指されています。JUIDA理事長の鈴木氏は、「実務に強い人材を育成し、育成した人材が活躍できる機会を増やすことに力を注ぐ」と述べており、ドローン業界全体の発展に寄与する考えを示しています。東急コミュニティーの生田氏は、自社のマンションにおいてドローン技術を取り入れた実績を紹介し、ドローン技術の活用が今後の生活改善に大いに寄与することを強調しました。

まとめ

ドローンの利活用が拡大している中、「ドローン点検スペシャリスト」という新しい資格は、特にマンション点検の分野での需要に応えるものです。この資格が社会に実装されることで、より多くの人々がドローンを使った業務に携わり、効率化と安全性が向上することが期待されています。ドローン操作の専門家が増えることで、今後の建物管理業界に新しい風を吹き込むことが期待されます。