権力の真実を探る新刊『長期政権の条件』
本日、2026年5月18日、株式会社新潮社から新刊『長期政権の条件』が出版されました。この本の著者である老川祥一さんは、60年以上にわたり日本の政治を見守ってきた政治記者です。歴史の変遷を記録し続けてきた老川氏が示す権力の真実は、私たちに多くの示唆を与えるでしょう。
老川さんは、若いころには佐藤栄作総理の取材をしていた経験があるとのことで、「僕はよく、人から運が強いといわれるし、まあ、自分でもそうかなと思う面があるんだがね」という佐藤の言葉が胸に残っています。この言葉は、権力の頂点にいる者が抱く運の強さについての考察を含むものであり、老川氏はその言葉の意味が時を経て理解できるようになったと述べています。彼は、長期政権を築いた政治家たちには、運、選挙に強いこと、自制心を持つという三つの共通点があることに気づきます。この三要素は相互に関連しており、継続する好循環が失われると、権力もあっという間に崩壊するのです。
また、老川氏は政治家の「得意技」についても考察しています。政治家が権力を持つためには、何らかの特異なスキルを持つ必要がありますが、その技が逆に彼らの足元をすくう原因になることもあります。例えば、「カネ」でつまずいた田中角栄や、政治資金の獲得方法として問題視された竹下登、さらには議員心理の誤解から失速した菅義偉の例が挙げられます。こうした事例は、権力の維持がいかに難しいかを物語っています。
この新刊『長期政権の条件』は、老川氏が長年の観察を通じて得た貴重なエピソードや洞察を元に、政界での心理状態や戦略を明らかにしています。本書を読み進めるにつれて、総選挙で成功を収めた高市早苗政権が今後どういった要素を必要とするのか、また、失敗の要因は何かという思考が自然に導かれていくことでしょう。
今日の政治情勢を理解するための重要な一冊として、ぜひ手に取ってみていただきたいと思います。
本書の内容について
本書では、佐藤栄作、中曾根康弘、小泉純一郎、安倍晋三など、長期的に政権を維持した政治家たちについて分析されています。これらの政治家たちには、運に恵まれ、選挙に強く、自制心を持ち続けたという共通点があります。この特性が失われた時、権力は崩壊の兆しを見せるのです。栄える時は誰もが大きな声を上げますが、その裏には繊細で複雑な心理と技術が隠されていることが、老川氏によって鋭く描かれています。
著者の老川祥一氏は、1941年に生まれ、早稲田大学を卒業後に読売新聞社に入社。政治部記者としてのキャリアをスタートし、ワシントン特派員や論説委員、大阪本社社長・東京本社社長を経て、現在は読売新聞グループの代表取締役会長兼主筆を務めています。他にも『政治家の胸中』や『政治家の責任』といった著書があります。
このように、老川氏が描く権力の真実について、ぜひ一度じっくりと読み解いてみてもらえればと思います。新たな視点と深い理解が得られることでしょう。