東京23区内の中古マンション価格の急騰
株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、2020年から2025年にかけての東京23区内の築30年以内の中古マンションの価格上昇率を調査した。その結果、首都圏の物件価格高騰に影響され、多くの駅で中古マンションの価格が顕著に上昇していることが分かった。
調査の概要
2020年と2025年1月から7月にかけて、LIFULL HOME'Sに掲載された中古マンションの価格を比較したところ、全体的に明らかな上昇が見られた。2020年には「5,000万円未満」の駅が約60%を占めていたが、2025年にはこの割合が約18%に減少し、「1億円以上」の駅が25.9%に達するなど、価格帯が大きくシフトしている。
駅別の上昇率
1.5億円以上の駅
2025年の調査によると、1.5億円以上の駅の中で「六本木一丁目」が3.23倍に跳ね上がった。これにより、平均価格は3億3,327万円となり、調査対象の中でも最高値を記録した。特にこのエリアでは、高額物件の需要が高まり、さらなる価格上昇を引き起こしている。
1億円から1.5億円未満の駅
次に注目すべきは「豊洲」で、こちらも2.37倍の上昇を見せた。生活利便性の高い湾岸エリアや都心近接の地域がこの価格上昇を牽引しており、平均掲載価格は5,239万円から1億2,424万円へと増加した。
5000万円以上1億円未満の駅
江東区の「辰巳」がトップで、価格は2.09倍となり、平均価格は8,719万円に達した。このエリアでは、職住近接が実現可能であり、多くの世帯からの需要が集まっている。特に生活利便性が高い城東エリアが急速に人気を集めている。
5000万円未満の駅
かつて手の届く価格帯だった足立区や葛飾区、板橋区でも値上がりが確認され、西台や亀有、西新井が同率でトップを記録した。これらのエリアも、通勤の利便性や生活の快適さを兼ね備えた場所で、多世帯から需要が高まっている。
中山アナリストのコメント
LIFULL HOME'Sの中山登志朗副所長は、これらの調査から「東京23区では中古マンション市場全体で価格の底上げが進んでおり、特定のエリアでは局地的なバブルが発生している」と指摘している。また、実需と投機需が重なり合い、住宅ニーズが高まるなか、さらなる価格上昇が期待される。
まとめ
東京23区の中古マンション価格は急上昇し、地域によっては2倍以上の上昇を見せている。新築マンションの高騰による中古物件への需要が高まっていることからも、今後の価格上昇は避けられない状況である。居住地を選ぶ際には、これからの価格動向にも注目していく必要があるだろう。