牛尿発酵液研究が北海道の環境を変える
平成時代から続く環境問題。特に農業から生じる水質汚染や臭気問題は深刻さを増しています。そんな中、北海道北見市に本社を置く株式会社環境ダイゼンと、東京都新宿区の株式会社リバネスが新たな共同研究を開始しました。その内容は『牛尿発酵液の生産過程の解明』です。
研究の背景
北海道は日本有数の酪農地帯で、約80万頭の乳牛が飼育されています。その中で主流の管理方法である「繋ぎ飼育」では、1日あたり720万リットルもの牛尿が発生します。この牛尿はそのまま環境に影響を及ぼす形で河川や農地に散布され、水質汚染や臭気被害を引き起こしています。
環境ダイゼンは、これらの問題を解決するため、独自の微生物叢を用いて牛尿を無害化・無臭化する技術を開発しました。さらに、この発酵液には消臭効果や水質改善、さらには植物成長促進効果があることが分かっています。これにより、通常廃棄される牛尿を機能性の高い商品へと変えることに成功し、持続可能な循環型ビジネスへとつなげています。
新たな共同研究の目的
しかし、これまでの研究では発酵液の生成過程や植物成長促進の具体的なメカニズムは不明な点が多く残っていました。そこで、リバネスの専門知識を持ち寄り、科学的なアプローチで牛尿発酵プロセスを徹底解明することが今回の共同研究の主旨です。
この研究により、牛尿の発酵速度を向上させ現在の600トンの処理能力をさらに増加させることを目指しています。将来的にはこの技術を北海道にとどまらず、世界規模での環境問題解決に活用することが期待されています。
取り組みの影響
環境ダイゼンとリバネスの共同研究が成功すれば、牛尿発酵液だけでなく、農業全体において持続可能な資源循環が促進されるでしょう。これにより、酪農業界の廃棄物を有効に活用すると同時に、地域住民の臭気被害や水質問題を軽減することが可能になります。環境への配慮が高まる中、このような取り組みは今後の北海道のモデルケースとなるかもしれません。
【問い合わせ先】
株式会社環境ダイゼン
E-mail:
[email protected]
TEL:0157-67-6788
株式会社リバネス
E-mail:
[email protected]
TEL:03-5227-419