サステナブルな空の旅を目指して
江部松商事株式会社が新たな取り組みを開始しました。新潟県燕市に本社を構える同社は、廃食用油から持続可能な航空機燃料(SAF)を製造・供給する『Fry to Fly Project』に参画しました。このプロジェクトは、飲食店や家庭から出る使用済みの油を再利用し、航空業界の環境負荷を軽減することを目的としています。
Fry to Fly Projectの基本理念
『Fry to Fly Project』は、廃油をリサイクルしてSAFを生産し、カーボンニュートラルな社会を目指す取り組みです。飲食業界においては、食品を調理する過程で多量の廃食用油が発生します。この廃油を効果的に利用して新たなエネルギーとして再生することで、資源の循環利用を促進し、持続可能な社会の実現に寄与します。
SAF、すなわち「Sustainable Aviation Fuel」は、バイオマスや廃食用油を原料とし、従来の航空機燃料に比べて実質的に二酸化炭素の排出量を削減することができます。現状の航空機の燃料は原油から生成されていますが、これは使用するほどに大気中のCO2濃度が増加します。これに対し、SAFは大気中のCO2を増加させない特性を持ち、約60%〜80%の排出削減が期待されています。
国内初の大規模SAF生産
このプロジェクトは日本国内でも注目を集めています。コスモ石油や日揮ホールディングス、レボインターナショナルの3社が共同で、2022年には「合同会社SAFFAIRE SKY ENERGY」を設立し、国産SAFの大規模生産を目指しています。この取り組みにより、年間約3万キロリットルのSAF生産が見込まれています。
江部松商事も外食産業における立場からこのサステナブルなプロジェクトに貢献し、持続可能な未来を築くために全力を尽くす意向を示しています。廃食用油の再利用を通じて、エコフレンドリーな空の旅を実現するための重要な一歩を踏み出しました。
これからの展望
廃食用油から航空燃料を生み出す技術は、まだまだ発展途上です。しかし、江部松商事の参加により、さらなる技術革新や社会の理解が深まることが期待されます。飲食業界全体が協力し、廃油リサイクルの重要性を広めれば、より良い環境を次世代へと引き継ぐことができるでしょう。持続可能な社会の実現に向けた取り組みは、日常生活の中で意識を高めることから始まります。
江部松商事は、環境問題の解決だけでなく、業界全体の意識改革を促していく役割も担っています。この活動を通して、今後の航空業界や食品業界において持続可能な未来を実現できるよう、一層の努力をしていく所存です。