脱炭素社会へ向けた都市データの活用と未来の展望
2025年の大阪・関西万博で、いのち会議は「いのち宣言」を発表しました。この取り組みでは、持続可能な社会の実現に向けた具体的なアクションプランを提示しています。今回は、その中でも特に注目すべき「都市データ共有基盤」の構築について深掘りしていきます。これにより、脱炭素化や廃棄物ゼロの実現、防災力の強化といった未来の都市像を目指すことが可能となります。
都市の進化と環境問題
長い歴史を経て、人類は都市という生活の場を形成してきました。さらに、技術の進化に伴い、都市環境はさまざまなサービスを提供するようになりました。住宅、交通、エネルギー供給、生産、廃棄物処理など、都市を支えるシステムは発展してきました。しかし、一方で、気候変動がもたらす環境問題も深刻化しています。このような状況は、環境への負担を軽減し、持続可能な社会を実現するための新たな取り組みを求めています。
特に、温室効果ガスの排出削減が迫られている中、2050年にカーボンニュートラルを達成するためには、毎年4%の削減が必要です。この厳しい課題に直面し、従来のシステム改善だけでは不十分で、システムの新たな構造を築く必要があるのです。
デジタルツインプラットフォームの構想
大阪大学工学研究科の都市エネルギーシステム領域では、脱炭素化に向けた具体的なシナリオ分析や、省エネルギー技術の導入について取り組んでいます。さらに、IPCCの指摘にもあるように、デジタルソリューションの活用が重要視されています。その一環として、都市データを共有するプラットフォーム、つまりデジタルツインプラットフォームの構築が計画されています。
このプラットフォームでは、住宅やインフラなどの3次元モデルを作成し、それを通じて都市の現状把握や将来予測を行います。これにより、政策決定者や都市の住民が直感的にデータを理解し、効果的な判断を行えるようにすることが目指されています。さらに、人々の行動やライフスタイルを反映したモデルを統合し、リアルタイムでの災害対応などにも活用できるようになります。
大阪における取り組み
大阪は、つくば市と共に内閣府のスーパーシティに選定され、大阪広域データ連携基盤(ORDEN)の構築に取り組んでいます。この基盤は、都市のデジタルツインとして、地域の持続可能な発展に寄与することが期待されています。そして、いのち会議はこのプロジェクトにおいて、大阪大学や大阪府などと連携し、都市データの共有を進めています。
この革新的な取り組みは、日本国内だけでなく、アジアの新興都市にも応用可能な設計がなされており、世界中の都市が抱える課題に対応するものとして注目されています。
未来への期待
持続可能な都市への移行は、私たち全員にとっての責任です。いのち会議と大阪大学が進める都市データの活用により、環境に優しく災害に強い未来の都市づくりが実現されることが期待されています。これからのアクションプランを通じて、官民が一体となって持続可能な社会を目指していくことが求められています。
私たちの未来を決める重要な時代に、都市データの共有という手段で新たな社会の構築が進んでいくことを、一人ひとりが感じ取り、積極的に参加していくことが求められています。