KANEL BREADが推進する新たな食文化
栃木県の那須に位置するクラフトベーカリー「KANEL BREAD」では、地域資源を活かしながら新しいエシカルパンブランド「clasico」を立ち上げ、さらにピッツェリア「Pico」を始めることを発表しました。この取り組みは、サーキュラー・エコノミーの理念に基づき、地域社会や自然との調和を目指すものです。
地域資源の循環を目指す
「株式会社TANZEN」は、これまで「KANEL BREAD」の運営を通じて、「LOCAL FOOD & GOOD COMMUNICATION」をテーマに掲げてきました。地元の生産者と消費者の間に橋を架け、食材を大切に扱いながら、四季折々の美味しさを提供することを目指しています。そして、これからは人や地域、自然との関係性を重視し、新たな価値創造に注力していきます。
栃木県は生乳生産量が本州で最も多く、特に那須エリアでは多くの酪農家が新鮮な生乳を供給しています。通常、牛乳からチーズを作る際に発生する「ホエイ」は、これまで行き場を失い、その多くが廃棄されることが多かったのです。しかし、「KANEL BREAD」はこのホエイを有効活用し、パンの仕込み水として使用。これにより、新たな価値を提供しつつ、地域の酪農文化の再評価にも貢献しています。
ホエイブレッドの魅力
新ブランド「clasico」が誇るホエイブレッドには、以下のような特徴があります:
- - テイストと健康面: ほのかなミルクの香りが漂い、軽やかな食感。バターを使用した食パンと比べ、低カロリー・低脂肪でありながら、栄養価が高く、高タンパクでミネラルも豊富です。腸内環境にも良い影響を与えると言われています。
- - 環境への配慮: 廃棄物として捨てられていたホエイの有効活用により、廃棄処理にかかる環境負荷を軽減。
- - 地域価値の創出: 新たな商品を通じて酪農家の支援が可能となり、地域に魅力ある仕事や雇用を生み出します。
「clasico」による冷凍パン
「clasico」のパンはすべて焼きたてを急速冷凍し、乾燥やデンプンの老化を防ぎ、新鮮さを保持しています。冷凍技術により、食品のロスを減らし、消費者は高いクオリティのパンを手軽に楽しむことが可能です。販売は自社ECサイトの他、飲食店や学校給食、スーパーなど多岐にわたります。
ピッツェリア「Pico」の展開
「Pico」では「KANEL BREAD」の国産小麦を活かしたピザ生地を使用し、近隣の牧場から仕入れたフレッシュな生乳で作るチーズと地元の新鮮な野菜をトッピング。地域密着型の美味しさを追求しています。さらに、パン工房「clasico」と「Pico」は隣接しており、ホエイを有効に活用する新たなモデルケースを築くことで、地域資源の循環を推進しています。
まとめ
KANEL BREADの新ブランド「clasico」とピッツェリア「Pico」は、美味しさと環境への配慮を両立させた、栃木の食文化の新しい形を提案します。私たちの食生活に新たな価値をもたらすこの取り組みが、地域社会や消費者にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まります。お楽しみに!