日立ハイテクとジーンベイ社が進めるゲノム解析事業の新たな展開

日立ハイテクが先日、ジーンベイ社と協業し、ゲノムマップ解析技術を用いたヒトゲノム構造多型の受託解析を開始することを正式に発表しました。これにより、日立ハイテクはがんや未診断疾患の研究におけるゲノム解析の品質を向上させ、業界全体の発展に寄与できることを期待しています。

背景と目的

がんの研究や未診断の疾患について、その原因解明や診断手法の確立が急務です。その中で、ヒトゲノムの構造多型解析が重要な役割を果たすとされています。従来の次世代シーケンシング（NGS）技術では、大規模な構造多型を正確に検出することが困難であり、この技術を補完する新たな解析手法が求められています。

日立ハイテクが開発した「OhmX」や「Human Chromosome ExplorerⓇ」を通じて、ジーンベイ社の持つ広範なネットワークと知見を活かすことで、より多くの研究者が先端技術にアクセスできる環境が整います。これにより、がんや未診断疾患の研究がさらに推進されることが期待されています。

ゲノムマップ解析ソリューションとは

「ゲノムマップ解析ソリューション」は、ゲノム全体の特定の塩基配列を検出したデータを基に、個人間のゲノムの違いを特定する技術です。具体的には、挿入や欠失、逆位、転座といった構造多型を把握することができます。これにより、従来手法では捉えられない細かな変異についての理解が深まり、より正確な診断が可能となるのです。

今後の展望

日立ハイテクは「Innovating Healthcare, Embracing the Future」という基礎理念のもと、医療事業の進化を目指しています。この協業を通じて、がんへの恐れを軽減し、一人ひとりに寄り添った医療サービスの提供を実現し、世界の人々の生活の質（QoL）の向上に寄与することを目指します。