デジタル時代のカーナビ利用実態
調査背景
経済産業省と国土交通省が提唱する「モビリティDX戦略」が進行中の現在、自動車業界は「ソフトウェア定義型車両(SDV)」への移行を迎えています。この流れの中で、車載システムの価値が「ハードウェアの制御」から「ソフトウェアによる体験価値」へと変化しています。一方で、車内でのスマートフォンの使用は日常化しており、従来の車載カーナビの役割が問われています。
それを受け、株式会社メンバーズは、定量調査と行動観察調査を実施し、カーナビデバイスの利用実態を分析しました。この調査には1,507名が参加し、彼らの行動を「車載カーナビ層」「スマートフォンナビ層」「併用層」の3つに分類してインサイトを得ています。
調査結果の概要
定量調査の結果
調査から見えてきたのは、各利用者層の異なるナビ利用のニーズです。具体的には、
- - 車載カーナビ層は、現行の機能に満足し、安全面のニーズも強い。
- - スマートフォン層は、情報の鮮度を重視し、日常的な利用が目立つ。
- - 併用層は、スマートフォンは情報の鮮度を求め、車載カーナビには多機能を求めるという「いいとこ取り」の傾向が見られました。
また、調査対象者は全員が乗車前にスマートフォンで計画を立て、乗車後にも車載カーナビで再設定するなど、デバイス間での情報が二重に操作されることが分かりました。このようなデバイスの両立は、心理的なストレス要因にもなっています。
行動観察調査の結果
調査によれば、全てのユーザーが乗車前にスマートフォンを使ってルートを設定しており、その後車載ナビでの再設定を行うことが普通となっています。その際、意図しないタイミングでの情報干渉や案内の中断は、ドライバーにとって大きな負担となり得ることが浮き彫りになりました。
アクションガイド
この調査結果から、メンバーズは以下の3つのアクションガイドを提案しています。
1.
スマートフォンと車載カーナビのシームレスな連携を実現する必要があります。乗車前にスマートフォンで設定したルートが、車載カーナビに自動的に引き継がれる仕組みが求められます。
2.
運転負荷を抑えた情報提示が必要です。情報提供は控えめにし、運転中の注意力を維持することが重要です。
3.
目的地案内の精度向上を図ります。特に駐車場への誘導精度を高め、ドライバーに安心感を与えるシステム作りが求められます。
まとめ
カーナビデバイスは、もはや単独で機能する存在ではなく、スマートフォンとともに利用されることが多くなっています。今回の調査は、各層におけるユーザーの異なるニーズと期待を明らかにし、それに応じたサービスの改良が必要であることを示しています。顧客体験を最優先に考えることで、未来のモビリティを充実させる道が見えてくるでしょう。