デジタル証明書の信頼性向上に向けた新たな取り組み
最近、株式会社Receptとサイバートラスト株式会社は、デジタル証明書の信頼性を向上させるための実証実験を共同で実施しました。Receptが提供する分散型ID/デジタル証明書の技術基盤「proovy」と、サイバートラストが提供する「iTrust eシール用証明書」を活用したこの実験は、VC(Verifiable Credentials)の発行者の真実性を担保する仕組みを検証するもので、非常に注目されています。
背景と目的
デジタルアイデンティティ管理の重要性が増す中で、DID(Decentralized Identifier)とVCは多様な分野での利用が期待されています。しかし、VC発行者の実在性や真正性を保証することが課題とされています。不正なVCの発行が懸念される中、信頼性を高めるための施策が求められてきました。
この実証実験では、サイバートラストが提供するeシールを使用してVC発行者を認証し、Receptの「proovy」においてVCにeシールを追加するシステムが構築されました。このeシール技術は、電子データを発行した組織の身元を確認できるため、データの改ざんを防ぎ、デジタル証明書に対する信頼性を大きく向上させるものです。
実証実験の内容
実証実験では、以下の三つの項目を中心に検証が行われました。
1. VC発行者へのeシール用証明書の発行
2. VC内にeシール用証明書を格納するベストプラクティスの調査
3. eシールが付与されたVCの発行
サイバートラストが厳選した組織に向けて提供されるiTrust eシール用証明書は、日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)により認可された信頼性の高い証明書であり、これを導入することでVC発行の透明性を飛躍的に向上させました。
今後の展望
Receptとサイバートラストは、DID/VCのエコシステムをより利便性の高いものにすべく、さらなる機能強化を図っていく意向を示しています。具体的には、有効期限の管理、証明書の更新、ブロックチェーン技術の活用など、多様な利用シーンに適した新しいソリューションの開発に取り組むとしています。
既存の「proovy」や「iTrust eシール用証明書」は、デジタル社会の中での信頼性を高めるために設計されており、その利点が広がることで、個人や組織のデジタルアイデンティティがより安全に管理される未来が期待されます。
会社情報
株式会社Receptは2023年に設立され、DID/VCを専門に扱う企業です。自社の技術基盤を通じて、安全で便利なデジタルアイデンティティ管理の提供に力を入れています。サイバートラスト株式会社は、信頼性の高い認証サービスを提供する日本初の商用電子認証局であり、25年以上にわたって高い技術力を誇っています。今後も両社は、デジタル証明書のさらなる信頼性向上に努めていくでしょう。