TBMとFPTが手を結ぶ脱炭素戦略
株式会社TBM(東京・千代田区)は、ベトナムのITコングロマリットFPT Corporationの子会社であるFPT IS Company Limitedと、企業の脱炭素経営を包括的に支援するための覚書(MOU)を2025年7月23日に締結しました。これにより、二つの先進的なソリューション、環境配慮型素材「LIMEX」とGHG排出量管理プラットフォーム「VertZéro」を融合させ、企業の温室効果ガス排出削減を促進します。
脱炭素経営の必要性
気候変動対策がグローバルな課題となる中、特に企業のGHG(温室効果ガス)排出の透明性が求められています。2050年ネットゼロを目指す国・地域は150を超え、ベトナムでも2025年から事業所にGHGインベントリ報告が義務化されています。これにより、企業はその排出を正確に把握し、効果的に削減する必要に迫られています。
FPTとTBMの連携の意義
今回の提携は、FPTが提供する「VertZéro」とTBMの「LIMEX」を組み合わせることで、排出量の可視化から削減具体策の実施までを一貫して支援する体制を構築するものです。FPTの「VertZéro」はAIとOCRを導入したクラウド型プラットフォームで、企業排出データの約80%を自動化します。この機能により、企業は手間なく排出量をリアルタイムで把握し、改善施策を迅速に実施できます。
一方で、TBMが持つ「LIMEX」は無機物を50%以上含む環境配慮型素材で、プラスチックに代わる新たな選択肢です。「LIMEX」は製品ライフサイクル全体でのCO₂排出量を削減し、サステナブルな製品開発を促進します。このように、両社の強みを組み合わせることで、より効果的な脱炭素戦略を実現できます。
提携の具体的な内容
提携の具体的な内容としては、まず両社の製品やサービスを共同提案することが挙げられます。TBMとFPTは、お互いのソリューションをお客様に提供し、排出量の算定から報告、削減の全過程をサポートします。また、FPTの「VertZéro」に「LIMEX」を導入することで、サステナブルなエレクトロニクス部品の開発を進めていく計画です。
このような統合的なアプローチは、企業のお客様が自社のGHG排出量を可視化し、正確に削減効果を測定するための強力な武器となります。
企業の声
今回の提携について、TBMの山口太一常務執行役員CSOは、LIMEXを通じてプラスチックのライフサイクル全般でのGHG排出を削減することが企業の重要なミッションであると強調しました。彼は、FPTの「VertZéro」を利用することで顧客がより効果的に脱炭素化を実現できることを約束しています。
FPT CorporationのTran Duc Tri Quang副社長は、グリーントランスフォーメーションが企業の目指すべき方向であり、今回の協業は持続可能な発展のための重要なステップであると述べています。両社は、連携を通じて持続可能で循環型経済の実現を目指しています。
さいごに
TBMとFPTの協業は、企業が持つ環境に対する責任を果たし、脱炭素社会の実現を加速させるものです。両社のソリューションが結集されることで、持続可能な未来に向けた新たな道筋が示されることを期待しています。企業の皆様も、この機会を活用して持続可能な経営に取り組むことが求められます。