未来の移動を実現する 『MESH』の開発
近年、テクノロジーの進化とともに、移動体験のあり方も大きく変わろうとしています。その中で、自動運転技術やMobility as a Service(MaaS)の進展は、私たちの生活に新たな可能性をもたらします。しかし、これらの技術が本格的に普及するためには、実用的な開発環境とシミュレーションが不可欠です。
そこで注目されているのが、モビリティ領域における産学共創プロジェクト「Open SDV Initiative(OSDVI)」が提唱するシミュレーション環境『MESH』です。
MESHの目的と機能
『MESH』は、ソフトウェアで機能が更新される自動車、いわゆるSoftware Defined Vehicle(SDV)の体験を可能にするシミュレーション環境です。名古屋大学の工学的アプローチと、参加企業の体験的アプローチを融合させることで、未来の移動体験を実感できる場を提供します。
このシミュレーション環境では、自動車の動作を実際のビークルAPIを用いて再現するため、開発者は実際の車両を用意することなく、SDV向けアプリケーションの開発やシミュレーションを行うことができます。これにより、より早く、より効率的な開発が促進されるのです。
クレスコの取り組み
クレスコは、OSDVIの設立当初から、開発環境やシミュレーションのワーキンググループをリードしており、ビークルAPIの策定に関与しています。多くの参加企業と共同で、参入障壁を下げるための開発環境の構築とシミュレーションの実現に取り組んでいます。また、クレスコの豊富な経験とノウハウを活かし、SDV市場の活性化と普及に向けた努力を続けています。
MESHの重要性
MESHの開発は、SDV市場への参入を希望する多くの3rdパーティーにとって重要なステップです。実際の車両の代替となる検証環境を提供することで、開発コストが低下し、さまざまなコンテンツが市場に溢れることが期待されます。
また、クレスコがこれまで開発した人物検知AIや3Dチャットアバターを活用し、AIエージェントを組み込んだ新たなモビリティ体験のデモ開発にも貢献しています。これにより、未来の移動に必要な技術やシステムが徐々に形を成していくことでしょう。
イベント出展:EdgeTech+ 2025
さらに、クレスコは2025年11月、横浜で開催されるイベント「EdgeTech+ 2025」において、MESHの実機を初展示する予定です。このイベントは、最先端の技術とアイデアが集結する場であり、MESHの価値を提示する大きな機会となるでしょう。詳細は、パシフィコ横浜で行われるこのイベントに参加することで、MESHがどのように未来の移動体験を変えるのかを直接体感することができます。
MESHの体験では、AD/ADAS関連のAPIを使用した安全運転診断や、ドライバーモニタリングシステム(DMS)、AIアシスタントと連携した新たなHMIの体感など、さまざまなシナリオを通じて、参加者が未来の移動の可能性に触れることができるでしょう。
結論
クレスコは今後も、シミュレーション領域での知見を活かし、モビリティDXビジネスの推進に貢献していきます。他産業での知見を交えながら、最高の技術を発揮し、3rdパーティーの参入によるコンテンツの充実と、それによるモビリティ体験の向上を目指します。MESHを通じて、私たちの移動体験がどのように進化していくのか、今後の展開に注目です。