写真家・野口里佳が贈るアートブック『虹』の魅力と開催情報

野口里佳の新作写真集『虹』が刊行

富山県富山市に本社を置く株式会社山田写真製版所が手がける出版レーベル「YAMADA Book Publishing」は、創業104年を迎えたその伝統を生かし、写真家・野口里佳の新しい写真集『虹』を刊行しました。この写真集は、タカ・イシイギャラリーで開催された個展「虹」の出品作を中心に構成されています。

『虹』の誕生

野口里佳は、作品『虹』について語っています。「鳥取の砂丘を訪れ、子供の頃から訪れたかった場所で、そこに流れる空気や異次元を感じる時間があった」と。それはまさに、自然の中で出会った非日常的な瞬間を記録した作品とも言えるでしょう。彼女の作品は、時に美しい景色、時に幻想的な空間を描写しています。たった一瞬の行き交う出来事が、彼女の作品では永遠の美として捉えられているのです。

高度な印刷技術と用紙選定

本書の特色は、野口が持つ繊細な作品世界を忠実に再現するために行った、製版段階での緻密な色調整にあります。色の調整は、1％単位での精密作業が求められました。また、パラシュートの柔らかな空気感を再現するために、一般的な用紙とは異なる「アラベール」を採用し、しっとりとした手触りを実現。さらに、袋とじ製本を用いることで、ページを一枚ずつめくるたびに新たな発見を与える特別な体験が可能になっています。

開催情報と特別販売

このたび発表された『虹』は、野口里佳が参加する現代美術展「リフレクションズ―いつかの光」に合わせ、札幌芸術の森美術館でも販売されます。会期は2025年11月15日から12月21日までで、ぜひこの機会に間近で作品を楽しんでいただきたいものです。

先行販売とイベント情報

さらに、１１月５日からはYAMADA Book Publishingのオンラインストアにて、特別価格で先行販売も始まります。また、刊行記念イベントも計画中で、詳細情報は公式サイトやSNSで随時発表されます。

野口里佳のプロフィール

野口は1971年に埼玉県で生まれ、沖縄県在住の写真家です。1992年から作品を制作し、国内外で活発に展覧会を行っています。これまでの個展には、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館や東京都写真美術館などがあります。彼女の作品は国立近代美術館やグッゲンハイム美術館などに収蔵され、多くの美術ファンに愛されています。