日鉄パイプライン、液化CO2輸送技術の検証設備を受注
日鉄パイプラインが液化CO2輸送技術の検証設備を受注
日鉄パイプライン&エンジニアリング株式会社は、最近、日本CCS調査株式会社から「液化CO2高流速液送技術検証設備建設工事」を受注したことを発表しました。このプロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主管する「CCUS研究開発・実証関連事業」の一部で、液化CO2の輸送に関するさまざまな技術的課題を明らかにすることを目的としています。
この工事では、400トンの液化CO2タンクが新たに設置されることになり、液化CO2の配管内での流速増加に伴う問題点の特定とその安全性の検証が行われます。本試験は、日本国内でのCO2輸送技術の向上に向けた重要なステップです。これにより、低温低圧の条件下での液化CO2の安定した大量輸送が可能になることが期待されています。
日鉄パイプラインは、これまでも液化CO2の大量輸送に向けての取り組みを強化しており、特に貯蔵容量1万トン以上のさまざまな液化CO2タンクの建設を目指しています。同社は、日本製鉄株式会社の低温用鋼「N-TUF®490」の採用を前提に、技術検討を進めています。この鋼材は、低温環境でも強度を保持する特性を有しており、大容量タンクの建設に理想的な選択肢です。
さらに、日鉄パイプラインは、2023年10月1日を予定にプラント事業を日鉄エンジニアリング株式会社へ分割承継することも発表しています。この承継は新たな事業体制の構築を目指しており、今後も液化CO2の大量かつ迅速な輸送技術の開発に焦点を当てていく方針です。日鉄エンジニアリンググループは、エネルギープラント設計・建設において蓄積してきた技術や知見を活かし、持続可能な社会の実現へ向けた取り組みを続けていくとしています。
この計画における技術開発は、脱炭素化の進展に伴い、CO2排出量削減の重要性が増す中で、多くの注目を集めています。本設備の整備は日本国内外での液化CO2輸送技術の先駆けとなり、持続可能な社会の構築に貢献することでしょう。日鉄グループが今後、どのようにこの技術を活用し、発展させていくのかが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
日鉄エンジニアリング株式会社
- 住所
- 東京都品川区大崎一丁目5番1号大崎センタービル
- 電話番号
-
03-6665-2000