Kippが実現するBaaSサービスとその背景
Kipp Financial Technologies株式会社は、金融機関向けに新たにBanking as a Service(BaaS)を提供することを発表しました。このサービスは、さまざまな金融機能をAPIとして提供するもので、特に国内での金融サービス開発において多くのメリットをもたらします。これまで、金融サービスを提供する企業はアプリケーションの開発や既存パッケージのカスタマイズに時間とコストをかける必要がありましたが、BaaSを利用することでその負担を大きく軽減できるのです。
BaaS導入の背景
国内の金融サービスは、主にゼロからの開発やレガシーシステムのカスタマイズが求められていました。このため、迅速に新機能を追加したり外部サービスと連携することが難しく、サービス向上の抵抗要因となっていました。一方、北米や欧州ではBaaS市場が急速に拡大し、その結果として新たなFintechサービスの誕生が頻繁に起こっています。Kippは日本においてもこの流れを受け入れ、市場のニーズに応える形でBaaSを導入することを決定しました。
具体的なサービス提供
KippのBaaSサービスの第一弾として、2021年3月29日に株式会社セブン・グローバルレミットが開始した海外送金サービス「Sendy」にBaaSの仕組みが採用されました。この仕組みを利用することでユーザーはスマートフォンアプリを通じて簡単に海外送金を行うことができるようになります。今後、さらに多くの金融機関がKippのBaaSを利用して、多様な金融サービスの提供を計画しています。これらのサービスには、ウォレット機能、送金、決済、チャージ、AML(マネーロンダリング防止)、与信、債権管理などが含まれる予定です。
資金調達とその目的
また、Kippはシードラウンドにおいて、総額5億円の資金調達も成功させました。引受先には、伊藤忠商事、AGキャピタル、セブン銀行、FFGベンチャービジネスパートナーズなどの著名な企業が名を連ねています。この資金は、BaaS事業のさらなる推進やアプリケーション開発、マーケティング活動に充てられる予定です。
登録完了と今後の展望
さらにKippは、「資金決済に関する法律」に基づく資金移動業の登録や前払式支払手段の登録も完了しました。これにより、KippはバリューイシュアとしてのBaaS提供が可能になります。今後、KippはBaaSを通じて、金融サービスのユーザー体験や業務効率を向上させることを目指しています。
会社概要
Kipp Financial Technologies株式会社は、2018年に設立され、東京都千代田区に本社を構えています。代表取締役は中島拓也氏であり、Kippは今後も新たな金融サービスの開発に貢献していく考えです。
- - 会社名:Kipp Financial Technologies株式会社
- - 設立:2018年3月20日
- - 所在地:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル4階 FINOLAB内
- - URL:https://kipp-corp.com/