イルミナ、包括的がんゲノムプロファイリングテストを承認申請
株式会社イルミナは、厚生労働省に対して、最先端のがんゲノムプロファイリングテスト「TruSight Oncology Comprehensive」パネルシステムの製造販売承認申請を行ったことを発表しました。この検査キットは、腫瘍サンプルを使用し、517の遺伝子変異を検出することが可能です。これにより、日本全国の固形がん患者に対して、医師がより的確な治療方針を決定するための有力なツールとなります。
専門家の声
イルミナのグローバルコマーシャル戦略責任者であり、アジアパシフィック&ジャパン地区のゼネラルマネージャーを務めるGretchen Weightman氏は、「ゲノミクスは、医師ががん患者の遺伝子プロファイルと利用可能な治療法を照らし合わせ、患者の生活の質を向上させることが期待される」と話しており、個別化医療の重要性を強調しています。
独自の特徴とメリット
この新しい包括的がんゲノムプロファイリング検査(CGP)は、臨床ガイドラインや薬剤候補、臨床試験に必要な幅広い変異や新旧のバイオマーカーをカバーしています。これにより、患者から得た生検検体からアクショナブルな変異を見つける可能性を最大限に引き出せます。従来の単一バイオマーカーテストやターゲットホットスポットパネルと異なり、数多くの変異を同時に解析することで、重要な情報を見逃すリスクを減らすことができます。
将来の展望
Weightman氏はこの検査の日本での導入について「3月に欧州での初回発売に続き、日本での承認申請を行ったことを嬉しく思う。日本国内での提供を心待ちにしています」と期待を寄せています。
この検査キットと解析プログラムを組み合わせ、コンビネーション医療機器(クラスIII)として承認申請しています。さらに、イルミナは製薬会社との連携を強化し、コンパニオン診断薬(CDx)の開発を進めています。これにより、がん患者に対して、最先端の分子標的治療やがん免疫療法へのアクセスを改善することを目指しています。
TruSight Oncology Comprehensiveについて
今回の承認申請におけるTruSight Oncology Comprehensiveパネルシステムは、固形悪性腫瘍患者のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍サンプルから、次世代シーケンサーNextSeq™ 550Dxによって517遺伝子の変異を対象にしています。これにより、DNAからは一塩基変異や多塩基変異、挿入や欠失、遺伝子増幅を、RNAからは遺伝子融合やスプライスバリアントを検出できます。
企業の取り組みについて
イルミナは、ゲノム技術の発展を通じて人々の健康を向上させるパートナーとして、研究や臨床、および応用市場に向けて革新的な製品を提供しています。私たちの製品は、ライフサイエンス、腫瘍学、生殖医学、遺伝医学、農業など多岐にわたる分野で広く活用されています。詳細情報は
こちらをご覧ください。
この新たながんゲノムプロファイリング検査が日本で普及することによって、がん治療の現場における実績と革新に期待が高まります。