NTコーポレーションがHRテクノロジーの未来を切り拓く
株式会社NTTドコモが開発した人事AIレコメンド基盤『Job-Voyage』が、最近行われた第10回HRテクノロジー大賞で「イノベーション賞」を獲得しました。この受賞は、ドコモが目指す人材の最適配置と社員の自主的成長を支援する取り組みが評価された結果です。
HRテクノロジー大賞の意義
「HRテクノロジー大賞」は、日本企業におけるHRテクノロジーの優れた活用法や人事ビッグデータ(アナリティクス)の有効利用にも注目し、その成果を称えるものです。主催する実行委員会の目的は、この分野の進展や発展を促すことにあります。今回は、ドコモの『Job-Voyage』が大規模な人材マッチングの実現を通じて評価されました。
Job-Voyageの機能と特徴
『Job-Voyage』は、ドコモグループに所属する2万人以上の社員と、1万を超えるポストを対象にした人事システムです。このシステムは、社員の希望やスキル、職歴を分析し、AIを活用して最適な異動先を提案することができます。この取り組みによって、従業員が自身のキャリアを探索するために必要な時間を大幅に短縮することが可能です。
また、『Job-Voyage』の利用により、社員は業務や自身のスキルをより深く理解し、社内外の公募制度への挑戦を容易にしています。これにより、社員の自主的なキャリア形成が助けられるため、個々の成長に寄与することが期待されています。さらに、このシステムは年間約1200時間の業務効率化を実現し、人事運営におけるデータドリブンなアプローチを可能にしています。
大規模かつ独自のアプローチ
『Job-Voyage』は、ポスト情報(そのポストでどのような職務が実行されるか、要求されるスキルなど)と社員情報(各社員の専門性や将来的なキャリアの希望など)をもとに、AIが最適なマッチングを行います。この大規模なデータベースと独自のアルゴリズム含め、日本国内では類を見ないシステムです。人事担当者が異動する社員の後任候補を探す際にも大変役立ち、適材適所の実現に寄与しています。
人的資本経営の実現に向けて
ドコモが掲げる人的資本経営は、3つの柱からなります。まずは「経営や事業戦略と人材戦略の連動」、次に「社員一人一人の挑戦と成長の支援」、そして「個を活かす風土や文化の醸成」です。これらのアプローチを通じて、社員の持続的な成長が顧客への価値提供につながるよう努めています。今後もHRテクノロジーの進化に取り組みながら、より良い仕事環境を提供することに取り組んでいくのです。
この受賞は、NTTドコモが人材マネジメントの革新に向けた一歩を踏み出した証であり、業界全体に与える影響も大いに期待されます。