優生保護法訴訟、国に賠償命令
2024-07-04 11:38:52

最高裁、優生保護法国家賠償請求訴訟で国に賠償命令 - 障害者団体が声明発表

7月3日、最高裁判所は、優生保護法に基づく強制不妊手術の被害者に対する国家賠償請求訴訟において、国に賠償を命じる判決を下しました。この判決は、戦後最大の人権侵害と言われた優生保護法問題において、国が被害者に責任を認めた画期的なものであり、障害者団体からは歓迎の声が上がっています。

DPI日本会議は、全国91の障害当事者団体から構成される団体で、障害者の権利擁護やインクルーシブな社会の実現を目指しています。同会議は、今回の判決を受け、声明を発表し、国に対して以下の点を強く求めています。

判決を真摯に受け止め、現在係争中の各地での裁判を取り下げること
被害者に謝罪を行うこと
優生保護法を半世紀近くも施行し救済措置を怠ったことを猛省して全ての被害者を救済する新たな立法措置を行うこと
障害当事者を構成員とした独立した調査機関を設置して調査や検証に取り組み再発防止に努めること
* 日本社会に深く根付いた優生思想を払拭する取り組みを推進すること

声明文では、優生保護法が障害者を「不良な子孫」と位置付け、人権と尊厳を奪ってきたこと、優生思想が社会に根強く残っている現状が指摘されています。

今回の判決は、優生保護法問題に対する国の責任を明確にしたものであり、障害者の権利擁護にとって大きな前進となります。しかし、優生手術を受けた被害者の多くは、すでに亡くなっている状況であり、生きている被害者も高齢化が進んでいます。被害者に対する救済が急務であることは言うまでもありません。

また、今回の判決は、優生思想という社会問題に対する警鐘ともいえます。優生思想は、障害者だけでなく、様々なマイノリティに対する差別や偏見を生み出す土壌となります。

今後は、今回の判決を踏まえ、優生思想の根絶に向けた取り組みを進め、誰もが安心して暮らせる社会を実現していくことが重要です。


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