JALグループ2025年3月期第1四半期業績
2024年7月31日、JALグループは2025年3月期第1四半期(2024年4月1日~6月30日)の業績を発表しました。今回の結果は、フルサービスキャリア(FSC)とLCC(格安航空会社)の各航空事業、そして非航空事業の収入が前年を上回るなど、全体的にポジティブな内容です。
業績ハイライト
売上収益は前年比11.2%増の4,240億円となりました。特に国際旅客の需要が高まり、多くの日本への訪問客が記録されています。特に6月は過去最高の訪日外客数を記録しました。フルサービスキャリアでは有償旅客数が前年比で11.4%増加し、ZIPAIRはなんと35.7%の増加を見せています。しかし、国内旅客に関しては団体旅行の減少により6.6%減少したものの、料金が9.5%上昇したため、トータルでは増収となりました。
貨物に関しては、国際貨物輸送量が前年比で19.7%増加、特に2月から始まった貨物専用機の導入が功を奏しています。これにより、マイルや金融・コマース事業も好調で、前年比4.8%の増収を記録しました。その他の事業も7.1%の増収を達成しました。しかし、燃油費の増加や人件費の上昇が影響し、EBITは前年比29.5%減の221億円、純利益は約39.4%減の139億円となりました。
セグメント別実績
フルサービスキャリア事業
国際旅客有償旅客数は前年比11.4%増で、旅客収入は12.5%増加しました。国内旅客については、団体旅客の減少で旅客数は6.6%減少したものの、路線による単価向上で旅客収入は2.2%の増加となりました。
LCC事業
LCCではインバウンド需要の高まりを受け、売上収益は前年比64.6%増加し、第1四半期としては初めて黒字を達成しました。また、すべての有償旅客数は前年の76.6%増となり、利用率も17.2ポイント上昇するなど明るい兆しが見えます。
その他の事業
マイル/金融・コマース事業では発行マイル数の増加や「JAL Mall」の収入増から4.8%の増収を達成。さらに、外国航空会社のグランドハンドリングの受託も増加し、売上は7.1%上昇しました。
今後の展望と新たな取り組み
JALグループは航空事業における新機材導入を進め、2024年4月17日からエアバスA350-1000型機を羽田=ダラス線に投入しました。さらに、海外ブランドの認知度向上を図るため、リバプールFCとの公式パートナーシップ契約も結びました。
また、LCC部門ではSPRING JAPANが中国への新路線を開設予定であり、マイルや金融事業では新たなサービスを展開中です。
これらの取り組みにより、JALグループは今後も成長を目指し、業績改善を図っていく意向です。2025年3月期の通期業績予想は変更ないとされており、今後の展開に注目が集まります。