慶應義塾大学が「フュージョンインダストリー研究センター」を設立
2023年12月1日、慶應義塾大学メディアデザイン研究所(KMD)に新しい研究センター「フュージョンインダストリー研究センター」が開設され、各界の専門家が集結し活動を開始しました。このセンターは、フュージョン(核融合)エネルギーの実現に向け、学術界・産業界・政策立案者・地域社会との連携を強化し、未来のエネルギー社会に貢献することを目的としています。
フュージョンエネルギーの可能性
フュージョンエネルギーは、太陽の核反応を模倣したもので、クリーンで持続可能なエネルギー源として期待されています。しかし、技術開発が進む一方で、制度整備や社会受容性の確立といった「社会側の基盤整備」が不十分な現状があります。
この課題に対処するため、フュージョンインダストリー研究センターは、産官学民の知見を統合し、フュージョンエネルギーの社会実装に向けた新たな取り組みを展開していきます。
具体的な取り組み内容
研究センターの活動は、以下の3つの主要な領域に分かれています。
1.
フュージョン政策・戦略研究シンクタンク
このシンクタンクでは、世界中で進行中のフュージョン技術の開発競争を分析し、産業化戦略や政策枠組み、投資動向を体系的に調査します。さらに、国や自治体、産業界に対して、データに基づいた透明性の高い政策提言を行い、持続可能なエネルギー社会の形成を支援します。
2.
産業・自治体・市民共創プラットフォーム
産業界と学術界の連携を促進し、地域社会との協力関係を築くことで、フュージョンエネルギーの実装を進めるための活動を展開します。市民向けの教育プログラムや対話の場を提供し、フュージョンエネルギーへの理解を深めることを目指します。
3.
実証・社会実装支援プログラム
具体的な社会実装を進めるために、商業化に向けたロードマップの作成やビジネスモデルの検証を行います。また、技術的な規制や安全基準に対するサポートも提供する予定です。
産学連携による共同研究
研究センターでは、各分野から招いた15名のリサーチャーが集まり、独自の教育プログラムやイベントを企画しています。一般社団法人フュージョンエネルギー産業協議会(J-Fusion)や関西電力などの組織と連携し、共同研究プロジェクトも実施します。
特に注目すべきは、2026年1月30日から2月1日にかけて慶應義塾大学で実施予定の集中プログラム「フュージョン発電所のつくりかた:未来をデザインする3日間」です。このプログラムでは、核融合技術や産業を多角的に学び、参加者自身の創造力を育むことを目指します。
また、Starlight Engine株式会社や京都フュージョニアリング株式会社との共同研究を通じて、フュージョンプラントの社会経済効果や社会受容性に関する調査も行う予定です。
期待される未来
新たなフュージョンインダストリー研究センターの開設は、専門家からも高く評価されています。特に、これからのエネルギー課題に対して多角的なアプローチを取ることが求められている中、産官学民の連携に向けた活動が期待されています。いくつもの課題が横たわるフュージョンエネルギーの مستقبلですが、その可能性は無限大です。
研究センターは、今後も学際的なコラボレーションを推進し、豊かで持続可能な社会の実現に向けて努力を続けていくことでしょう。
お問い合わせ先
慶應義塾大学KMD研究所フュージョンインダストリー研究センター
住所: 223-0061 神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1 慶應義塾大学協生館6階
電話番号: 045-564-2491
メールアドレス:
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