簡単にできる地域創生の新しい形
三井住友信託銀行と株式会社Stapleが共同で新たな投資会社「GOOD SOIL株式会社」を設立しました。この会社は地域の持続可能な発展と資金循環を目的としており、地域に根ざした小規模な開発を支援することで、地域経済の活性化を図ります。
「GOOD SOIL INC.」設立の狙い
「GOOD SOIL INC.」は、徒歩圏内の地域を重視した開発を行い、地域内での資金循環を促します。具体的には、観光と暮らしのバランスを考慮した小規模な不動産開発を行い、その不動産に対する正当な価値評価を確立し、エコシステムを構築します。このような取り組みを通じて、地域住民や地域外の応援者を巻き込んだ地域創生のプロセスを実現しようとしています。
小規模かつ連続的な開発の重要性
株式会社Stapleは、これまで広島県尾道市瀬戸田で「徒歩圏内のご近所」に注目し、ホテルや飲食店、ワークスペースなどの小規模かつ連続的な開発を行ってきました。このアプローチは見た目には非効率に思えるかもしれませんが、地域の魅力を多面的に引き出し、国内外からの来訪者を呼ぶことにつながっています。
例えば、瀬戸田ではインバウンドの来訪者比率が40%に達し、宿泊者も増加しています。特筆すべきは、欧米豪からの来訪者が多い点です。このような小さな開発の積み重ねが、リピーターの増加にも寄与しつつあります。
資金循環の新モデル
「GOOD SOIL INC.」では、二層構造の資金循環モデルが採用されています。一つ目が「開発ファンド」で、これは機関投資家から資金を集め、小規模開発を推進するために使われます。次に、開発が安定した後、この資産を「長期保有ファンド」へ売却し、その後も地域事業者や応援者の参画を促す仕組みがあります。
これにより、正しい価値評価と持続的な資金循環が確立され、地域創生が進みやすくなります。資金が地域内で継続的に循環することで、経済的便益が地域住民や企業に還元される仕組みができあがります。
企業のコラボレーションの意義
設立に関して、三井住友信託銀行の井谷太取締役兼専務執行役員は、地域エコシステムの構築を目指しており、今後も多様なステークホルダーと連携すると語っています。また、株式会社Stapleの岡雄大代表取締役は、過去の経験を基に新しい意味づけや価値観を共有することが重要だと述べています。
「GOOD SOIL INC.」は、単なる金融資本にとどまらない、文化や自然資本を大切にしながら地域の未来を豊かにする活動を展開していくことが期待されています。
会社情報
「GOOD SOIL株式会社」の設立日は2025年1月10日で、東京都中央区に本社を置き、株式会社Stapleと三井住友信託銀行の共同出資になります。地域創生に向けた新しい挑戦が、今後どのように発展していくのか注目が集まるところです。
このように、地域における持続可能な投資は、今後の時代に必要不可欠なものとなるでしょう。環境に優しい資本の有効活用が、次世代にどのように受け継がれていくのか興味深いです。