沖縄県名護市で高齢者の見守り体制を強化する共同実証実験が始動

沖縄県名護市において、一般社団法人OPHIS、株式会社おきでんCplusC、そしてフィルタス株式会社の三者が協力し、高齢者に対する見守り体制を強化するための共同実証実験が始まりました。この取り組みは、ICT（情報通信技術）と民間救急サービスを組み合わせ、地域社会における高齢者の生活の安心・安全を確保することを目的としています。

背景と目的

日本は少子高齢化が進行しており、特に高齢者の孤立や孤独死といった問題が深刻化しています。名護市ではこの課題に取り組むべく、見守り体制を再構築する必要性が高まっています。本プロジェクトでは、ICTを活用した技術と、救急医療の専門家で構成される民間救急が連携し、地域住民が安心して暮らせる環境づくりを目指しています。

新しい見守り体制の特徴

この実証実験では、「やさしいみまもり」という名前のWiFiセンシング技術を活用した見守りサービスが提供されます。このサービスは、高齢者の活動や睡眠状況を24時間365日見える化し、ご家族がスマートフォンアプリを通じてリアルタイムで確認できる仕組みとなっています。また、異変があった場合には事前に登録された家族や地域の関係者に自動で通知が送信されます。これにより、万が一の事態にも迅速に対応できる体制が整えられています。

各社の役割

この共同実証の成果を上げるために、各社は次のような役割を担います。
1. 一般社団法人OPHIS
官民連携型救急搬送システムの知見をもとに、プロジェクトの事業モデルを構築します。
2. 株式会社おきでんCplusC
世界最先端のWiFiセンシング技術を駆使した「やさしいみまもり」サービスを提供します。
3. フィルタス株式会社
医療機関向けの運営支援や緊急対応を行い、地域医療のニーズに応じた仕組みを構築します。

成果への期待

本共同実証の成果として、地域住民の安心と安全が向上し、孤独死や孤立死の防止が期待されます。これにより自治体にかかる負担も軽減され、持続可能な地域見守り体制の運用が実現可能となるでしょう。
2015年には名護市を対象に約50の世帯で実証実験を行う予定ですが、この取組みは全国的にも先駆的なものであり、多くの地域に波及効果をもたらすことが期待されています。