高校生が学ぶサステナブルな旅「GREEN JOURNEY for SCHOOL」
日産自動車と株式会社日本旅行の共同事業、サステナブルな教育旅行「GREEN JOURNEY for SCHOOL」の取り組みが注目されています。この新事業は2025年4月28日にスタート予定で、中学校・高校の生徒たちに向けた教育旅行として、サステナビリティを体験的に学ぶ場を提供します。
新たな旅行の形「GREEN JOURNEY」
「GREEN JOURNEY」は、地域課題解決を目指す新しい旅行スタイルです。2024年8月に設立された「グリーンジャーニー推進委員会」は、環境保護を考慮しながら地域との交流を促進することを目的としています。この委員会は、日産自動車と日本旅行の他に、複数の企業や団体が参加しており、各社が協力して市民意識を高める取り組みを進めています。
昨年8月の発足以降、委員会は「環境にやさしく、地域はうれしく、自分たちはとことん楽しい旅」をコンセプトに、さまざまな旅行商品の企画・販売に取り組んできました。具体的には、未利用食材を使った特別なグルメやLINEスタンプラリーを利用した個人向けツアーなどが含まれています。
初回実施となる足立学園の教育旅行
「GREEN JOURNEY for SCHOOL」の第1回目として、足立学園高等学校の高校1年生を対象に、新潟県新発田市での教育旅行が実施されます。このプログラムでは、5月7日から10日までの2泊3日の行程で、稲作に関する実体験が行われます。特に注目すべきは、「水稲栽培における中干し期間の延長」を学ぶことで、温室効果ガス削減の重要性について深く理解する機会が提供される点です。
また、参加者は有機農業を推進する地域の農家と密接に交流しながら、実践的な農業技術を学んだり、講師による特別講座を受けたりします。これにより、環境にどのように配慮し、持続可能な社会を形成するかを直に感じられるようになっています。
環境への配慮も忘れずに
移動面でも環境に配慮されており、参加者は環境に優しい新幹線を利用します。移動中に排出される二酸化炭素については、新発田市内の農業生産者が発行するJ-クレジットを利用してオフセットされる仕組みが整っています。
学びを継続的に
「GREEN JOURNEY for SCHOOL」では、旅行後の学びの場も設けられる計画が進んでおり、生徒たちが事前に「サステナブルな旅行とは?」という問いに対する考察を深めるような支援が行われる予定です。この取り組みを通じて、生徒が探究学習の方法を身につけ、持続可能な考え方を育成していくことが期待されています。
未来に向けて
2025年度中には私立校5校での実施が予定されており、2026年度にはさらに拡大を目指しています。今後は大学生や企業向けの団体研修旅行など、対象を多様化し、持続可能な旅行のスタンダードを確立することを目指します。
「GREEN JOURNEY for SCHOOL」が、今後の旅行や教育にどのような影響を与えるのか、目が離せません。環境問題に対する意識を高めていく新たな取り組みに注目が集まっています。