アンリツが食品業界の省人化を実現する新型X線検査機「XR76シリーズ」を発表
アンリツ株式会社は、食品業界向けの革新的なX線検査機、「XR76シリーズ」を2025年4月1日より販売開始すると発表しました。この新型機は、高感度センサと独自の画像処理アルゴリズムを搭載し、異物検出の精度を大きく向上させています。これにより、前モデルの「XR75」との比較試験において、誤検出率をなんと7分の1にまで低下させました。この技術革新は、再検査の手間を減少させるだけでなく、フードロスの抑制にも寄与することが期待されています。
食品製造業界は、労働力不足やコスト増といった厳しい現状に直面しています。そのため、品質管理と生産性向上の両立が求められています。この新型機は、そのニーズに応える強力なツールとなるでしょう。
新型X線検査機の特徴
1. 高精度の異物検出
新型「XR76シリーズ」は、新たに開発された高感度センサと独自のアルゴリズムを活用することで、異物検出の精度が飛躍的に向上しています。特にステンレス素材の異物において、最高約40%の検査能力向上が見込まれると共に、従来の機種に比べ、微細な異物も容易に検出が可能です。これにより、企業の信頼性が高まります。
2. 誤検出のリスク軽減
新型機は判定リミットの設定に余裕をもたせており、誤検出率を7分の1にまで減少させています。これによって、再検査の手間が減るだけでなく、不要な廃棄やリコールのリスクを抑えることができます。
3. 高速ライン対応
「XR76シリーズ」は、最大80メートル毎分の生産ラインに対応しつつ、検出精度を維持します。X線画像の縮みを最小限に抑え、感度の低下を防ぎます。この技術は、食品業界の需要に完璧に応えるものです。
4. 直感的な操作
タッチ操作は、スワイプやダブルタップなど、スマートフォン感覚で行えるため、専門的な技術がなくても扱いやすく設計されています。
5. AIによる自動判定機能
AI技術が導入され、更に自動化が進むことで、目視検査に依存していた品質管理が容易になります。この機能は2025年10月以降に搭載される予定です。
まとめ
アンリツの「XR76シリーズ」は、食品業界における品質管理の新たなスタンダードを提案しています。異物の混入は消費者の安全や企業の信頼に直結する重大な問題であり、この機器はその課題を解決するために設計されています。また、全国の自治体による異物混入事例の報告や食品製造業の労働生産性に関するデータからも、その必要性が浮き彫りになっています。
今後、アンリツはさらなるソリューションを提案し、持続可能な食品製造環境の実現を目指していく意向を示しています。食品業界の変革に向けた第一歩を切り出した「XR76シリーズ」は、未来の品質管理の姿を先取りしているかもしれません。