さいたま赤十字病院におけるRPAの成功実績
さいたま赤十字病院が2023年にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールの「BizRobo!」を導入し、業務の効率化と経費削減に成功しました。これは、日本赤十字社の一部として機能する同病院が抱えていた人手不足や業務量の増加に対応するための取り組みでした。
導入の背景
同病院は、33の診療科を有し、638床の病床数を誇る大規模な医療機関です。日々約1,500名の職員が外来や入院患者に対応しており、業務量が年々増加しています。特に、採用難が深刻化したコロナ禍以降は、残業が恒常的となり、業務負担の軽減が急務でした。この状況を打破するために、病院は勤怠管理システムの導入を図りましたが、システムに未対応な業務も多く、完全な解決には至りませんでした。
そこで人事課の職員がRPAを活用するアイデアを提案し、2か月間のトライアルの後、2023年にBizRobo! Liteを導入しました。選定の理由としては、現場主導での操作が可能であることや、フレキシブルな料金システム、他病院での成功事例が挙げられました。
実績と効果
BizRobo!を導入した結果、病院は勤怠管理システムと連携し、打刻漏れを防ぐロボットを開発。これに始まり、現在では130体以上のロボットが稼働しています。具体的には「残業が多い職員にアラートを送るロボット」や「入院患者カードの自動生成ロボット」が開発され、年間350時間の業務削減が実現されています。また、コスト面でもシステム改修にかかる費用を大幅に削減できており、特に電子カルテの情報共有作業はRPA導入によって追加コストなしで自動化されました。
今後の展望
さいたま赤十字病院では、RPAの導入をさらに進め、今後は年間1,000時間の業務削減を目標に掲げています。薬剤部や看護部においてもBizRobo!の活用を広げることで、さらなる業務効率化を目指しています。すでに他の病院での成功事例を参考にした運用を継続し、各部門の状況に応じた最適なサポートを提供することが求められています。
結論
さいたま赤十字病院の事例は、RPAが医療現場でどのように役立つかを示す明確なサンプルを提供しています。今後も業務のさらなる効率化や負担軽減に寄与するため、テクノロジーの活用を増やしていく姿勢が注目されます。医療現場におけるデジタル化の推進は、患者ケアの質向上にも寄与することが期待されます。