ヘラルボニーが新たな資金調達を実施
株式会社ヘラルボニー(本社:岩手県盛岡市)は、WiLをリード投資家として、M Power Partnersおよび電通ベンチャーズSGPファンドからの資金調達を行ったことを発表しました。この調達資金は、国内IPライセンス事業や新規事業の開発、そして海外展開に向けた支援を目的としています。
資金調達の目的
ヘラルボニーは、今回の資金調達を通じて3つの主要な分野に投資を行います。
1.
国内IPライセンス事業の人材採用と新規開発
法人向けのビジネスモデルが急成長している中、ヘラルボニーの契約作家の作品IPを使用したブランディングの動きが加速しています。これに伴い、パートナー企業との取引が過去2年間で3倍に増加。さらに、多様性と包摂性(DE&I)の推進に関するニーズが高まり、研修や教育プログラムも拡充しています。これにより、新たな人材の採用や新事業の立ち上げが急務となっています。
2.
「HERALBONY」のリアル店舗の拡大
個人向け事業では、2025年に岩手県盛岡市にオープン予定のフラッグシップストア「ISAI PARK」に続き、東京都内にも常設店舗「HERALBONY LABORATORY GINZA」を開設します。こちらの店舗にはギャラリーも併設し、来場者が作家と直接対話できる機会を設けることで、「障害への理解が変わる」体験を提供します。
3.
海外事業の拡大とアートシーンへの関与
ヘラルボニーは2024年にLVMH Innnovation Awardで受賞したことで、国際的な評価を得ています。今後、パリに現地法人を設立し、海外での展開を加速する計画です。また、すでに欧州の福祉施設とのパートナーシップ契約を結んでおり、多国籍な作家との連携を強化しています。アート業界におけるプレゼンスを向上させるため、展示会やイベントへの参加も積極的に行います。
ヘラルボニーの使命とは
ヘラルボニーは「異彩を、放て。」を企業使命に掲げ、障害に対するイメージを刷新し、新たな文化の創造を目指しています。障害のある人々やその周囲の人々がありのままに生活できる社会を構築するため、企業としての成長に加え、社会的な使命も果たしていくことを目指しています。
社会的な影響
事業成長に伴い、契約作家へのライセンス料は過去3年間で15.6倍に増加しました。障害のあるアーティストと社会の関わりを深めることで、持続可能な社会を再定義する「意味のイノベーション」を推進しています。また、POPUPストアや展覧会を通じて、障害のある作家との共存を図ることで、障害に対する定義を変える機会を創出しています。
強力な基盤の構築
ヘラルボニーの成長は、共感力の強い顧客層に支えられています。特にBtoCでの取り組みが、自然とBtoB事業へのシナジーを生んでいます。「HERALBONY」ブランドを通じた影響力の拡大により、企業とのコラボレーションも盛んになり、ブランド認知度の向上に繋がっています。SNSでは既に20万人以上のフォロワーを獲得しており、その影響力は年々増しています。
今後は、障害に対する社会的認識を変化させる一方で、会社の競争優位性を高める取り組みを進めるとされています。顧客体験の質を高め、アートの社会的評価を向上させつつ、ヘラルボニー社はさらなる挑戦を続けていくでしょう。