発達障害を乗り越える挑戦
大阪市中央区にある就労継続支援B型事業所「Re:Brave(リブレイブ)」の利用者、5Low(ゴロウ)が2025年12月にベトナムで開催される国際eスポーツ大会「Delta Force Invitational Warfare 2025」に日本代表として出場することが決まりました。この大会は、賞金総額約3,050万円(300,000 USD)の世界的FPSゲーム「Delta Force」の国際戦であり、就労継続支援B型事業所の利用者がこの規模の大会に参加することは非常に稀なことです。
「Re:Brave」の取り組み
Re:Braveは、eスポーツを用いた実践的な就労支援を行っています。利用者には、動画編集やアナリスト業務、イベント運営などのデジタルスキルを中心に、単なるゲームプレイを超えた生産活動への参加を促し、社会で通用するスキルを育成します。具体的には、次のような設備が整っており、質の高い就労支援を実現しています:
- - RTX 5070搭載のゲーミングPC
- - SONY INZONE M10Sモニター(480Hz)
- - 電動昇降デスク
- - ハーマンミラー製エンボディ・ゲーミングチェア
「本気で取り組むなら最高の環境で」をモットーに、思考力や分析力を育てるプログラムが整えられています。これは、厚生労働省が2024年に指摘した“遊ばせるだけのeスポーツ福祉”とは違い、就労への道を開く実践型の支援なのです。
今回の代表選出についてのコメント
eSpireX株式会社の代表取締役、入江亮太氏は次のように語ります。「近年、eスポーツと福祉の関係に対して否定的な意見もありますが、Re:Braveでは“eスポーツを通じて社会で通用するスキルを育てる”という明確な目的のもとで実践的な支援を行っています。5Lowも普段はアナリストとして活動し、今回の日本代表選出はその努力を証明する意味でも重要な出来事です。」
サービス管理責任者であり、自身も発達障害を持つ山本氏は、利用者の成長を肌で感じていると話します。「5Low選手の成果は、他の利用者に勇気を与えるモデルケースになると信じています。」
さらに、支援員の眞喜氏も5Low選手の成長に誇りを持っています。「彼は常に努力を重ね、世界大会での活躍がその証明になるでしょう。」
利用者の声
5Low選手は「発達障害があり、自信を持つことが難しかったが、Re:Braveでの学びを通じて得意分野を見つけられた。世界大会では、自分の努力を証明したい」と話しています。
今後の展望
Re:Braveは、5Low選手の出場を契機に、福祉とeスポーツの正しい理解を広めるために、行政や教育機関との連携を強化していきます。また、障害をもつ方が多様な形で活躍する新たな就労支援モデルを提案していく予定です。さらに、eスポーツ業界と繋がるスポンサーやパートナー企業を募集し、社会貢献の輪を広げていきます。
事業所情報
5Lowの挑戦は、私たちに希望を与えると同時に、障害があっても活躍できる社会の実現へ向けた大きな一歩です。