KPMG FAS、不正実態調査2024を発表
株式会社KPMG FASは、2024年版の日本企業不正実態調査『Fraud Survey日本企業の不正に関する実態調査2024』を発表しました。この調査は2006年から続いており、今回で第8回目の実施となります。
調査概要
今回の調査は、2024年3月14日時点での国内全上場企業404社を対象に、2024年の5月から8月にかけて行われました。主な回答者には経理・財務、内部監査、法務・コンプライアンスなどの責任者が含まれています。調査方法は郵送およびウェブアンケートを通じて行われました。
不正発生状況
調査結果によると、企業における不正の発生は32%に達し、これはコロナ禍以前の水準に戻りつつあることを示しています。不正が発覚した経路としては、内部通報が最も多く、特に損害額が大きい不正行為には「粉飾」「キックバック」「品質不正」が挙げられています。また、実行者の約7割が役員や管理職であることが指摘されました。
不正リスクへの対応
調査では、8割以上の企業がデータ分析やAIを利用した不正検出に関心を示しているものの、実際の取り組みは進んでいない状況が浮き彫りになりました。企業は、有効な対策を講じるための具体的なステップを踏んでいない可能性が高いと考えられます。
最近の論点
特に注目すべきは、品質不正に対する対策が有効と認識されながらも、その実行が不十分であることです。また、非財務情報の虚偽表示リスクについて、回答した企業の約8割が未対応と答えており、リスク認識や対応が遅れている実態が明らかになりました。
コラム
この調査に関連して、AIを活用した不正検出の重要性や、品質不正問題の原因と対策についても言及されています。特に、「インテリジェンス」を用いたリスクの適切な把握とその対応策が今後の企業に求められています。
KPMG FASは、調査結果を踏まえた上で、企業がリスクを軽減し、持続可能な成長を目指すための支援を進めていく方針です。詳しい情報については、KPMG FASのウェブサイトにて確認ができます。