パリの公衆Wi-Fiとセキュリティリスク
2024年の夏季オリンピックが間近に迫る中、Kasperskyのリサーチチームは、パリの観光地周辺に設置された公衆Wi-Fiのセキュリティ状況を徹底的に調査しました。この調査は、約25,000カ所のWi-Fiスポットから得られた47,891件の信号記録を基に実施され、その結果は衝撃的なものとなりました。
セキュリティの現状
調査によると、約24.6%(約6,083カ所)の公衆Wi-Fiは、暗号化が不十分か全くされておらず、古いプロトコルを使用していることが判明。その結果、ユーザーのデータが盗まれる危険性が非常に高い状況にあります。特に注目すべきは、最新のセキュリティプロトコルWPA3を利用しているWi-Fiスポットがわずか5.5%(1,373カ所)であったことです。
リスクの具体例
さらに、調査したWi-Fiスポットの19.6%にあたる4,864カ所では、WPS(Wi-Fi Protected Setup)という古いアルゴリズムが使用されていました。このような古い技術は、適切なセキュリティ対策が施されていないため、犯罪者にとって狙いやすいターゲットです。特に公衆性が高いエリアでは、利用者が無防備な状態で重要なデータを送受信してしまうことが多く、注意が必要です。
安全利用のための提言
KasperskyのGReATでMETA地域の責任者を務めるアミン・ハスビニ氏は、サイバー犯罪者がパリオリンピックでのデータ傍受や操作を狙っている点を警告しています。しかし、ユーザー自身が行動を自制することで、多くのリスクを回避することが可能です。以下は、公共Wi-Fi利用時の注意点です:
1.
機密情報の取り扱いに気をつける:公衆Wi-Fiでは、オンラインバンキングや個人情報を扱う取引は避けましょう。
2.
ファイアウォールの確認:デバイスのファイアウォール設定を見直し、常に有効にしておきましょう。
3.
強力なパスワードの使用:パスワードは複雑で推測されにくいものを選び、複数のアカウントで使い回しをしないこと。
4.
ソフトウェアの更新:定期的にOSやアプリを最新の状態に保ちましょう。
5.
ファイル共有を無効に:デバイスのファイル共有機能やAirDropを無効にして、不正アクセスを防ぐ.
6.
VPNの活用:カスペルスキーVPNなどを使用することで、オープンなWi-Fi環境でも安心してネット接続ができます。
結論
現在、パリではオリンピック開催に向けて、多くの観光客が訪れることが予想されています。このような状況だからこそ、安全なインターネット利用についての認識を深めることが求められています。Kasperskyの調査を通じて、皆さんも公衆Wi-Fi利用時のリスクを理解し、より安全な方法でインターネットを楽しんでいただきたいと思います。詳細はKasperskyの公式ブログにてご確認ください。