システムリスクアセスメント業務をAIで効率化する新機能AskDona「Batch Assessment」

株式会社GFLOPSと株式会社JSOLが共同で、高精度なAIプラットフォーム「AskDona」を活用した新機能「Batch Assessment」の提供を開始します。この取り組みは、情報システムに関連するシステムリスクアセスメント業務の効率化を目指したもので、特に金融機関におけるリスク管理の重要性が増す中での革新的な進展です。

システムリスクアセスメントの背景

システムリスクアセスメントは、情報システムに内在するリスクを特定し、その影響を評価するプロセスです。金融機関においては、金融庁のガイドラインに基づいて、年間のシステムリスクアセスメントが求められます。この業務は年に1回行われるものの、約4,300時間という膨大な時間を要しており、担当者にとって大きな負担となっていました。

課題を解決するためのAI機能

JSOLが抱える主な課題は、システムリスクアセスメントの基準や評価項目の解釈の差異、膨大な文書の確認作業などです。これらの業務を効率化するために、GFLOPSが開発したAskDonaのRAG技術が活用されました。AIエージェントはアセスメント項目に基づいた情報を自動で検索し、適切な根拠を提示することができます。

検証の進行

本プロジェクトでは、技術検証と業務適用期間を設け、その中で正確性や業務フローへの適用を確認しました。技術検証では100以上のシステムについてドキュメントを登録し、AIエージェントが正確に評価を行えるかどうかを検証しました。

技術検証の結果

過去の脆弱性評価と比較し、AIの判定精度は90%以上。もし必要な情報が不足している場合は「評価不可」と明示され、その根拠も提示されるため、透明性も高まります。

業務適用の成果

実際の業務フローにAIエージェントを組み込んだことで、JSOL全体で年間約2,000時間の削減が実現。これにより、システムリスクアセスメント業務にかかる総工数が大幅に軽減され、業務効率が向上しました。

Batch Assessmentの機能特徴

AskDona「Batch Assessment」は、事前に定義されたアセスメント項目に基づき、情報を自動で評価します。「対応済み」「未対応」などの区分ごとにその根拠も提示され、従来の担当者の経験に依存せず、評価基準の統一が図られます。幅広い業務への応用も可能で、システムコントロールやコンプライアンスチェックにも適しています。