放射性廃棄物処分の新技術
2025-09-04 12:23:42

口径放射性廃棄物処分施設の安全性を高める新技術の開発

株式会社安藤・間と共同で放射性廃棄物処分技術を革新



現在、日本が抱える放射性廃棄物の処理は、国家的な課題の一つとされています。放射性廃棄物を安全に地下に処分するためには、コンクリート技術が不可欠です。そんな中、株式会社安藤・間(安藤ハザマ)が名古屋大学の吉田教授や積水化学工業と協力し、コンクリートの水密性を著しく向上させる新しい技術を開発しました。

放射性廃棄物処理の現状



日本において、低レベル及び高レベルの放射性廃棄物が存在し、それぞれ異なる特徴を持つ処分施設が求められています。低レベル廃棄物の処理には、フライアッシュや高炉スラグなどの混和材を使用し、ひび割れの抑制が試みられています。また、高レベル廃棄物では、高強度の素材が必要で、より厳格なひび割れ管理が要請されています。

新技術の概要



名古屋大学の吉田研究室と積水化学工業の研究グループは、自然界に見られるコンクリーションを人工的に生成するためのコンクリーション化剤(ブランド名: CONSPEED(R))を開発しました。この技術では、セメントと混合することで炭酸カルシウムが形成され、ひび割れが自己充填されることで水密性が向上します。

コンクリーションの原理



自然界では、堆積岩の中にコンクリーションと呼ばれる球形の塊が存在し、これは生物の遺骸が分解され炭酸イオンとカルシウムイオンが結合することで生成されます。この原理を活用することで、放射性廃棄物処分の安全性が格段に向上することが期待されています。

実証試験の結果



今回の技術には、実証試験が実施され、高い効果が確認されています。コンクリートにコンクリーション化剤を混ぜ込み、水中養生を行った結果、ひび割れが目立たなくなり、コンクリートの強度は1.5倍以上に向上しました。また、多孔質コンクリートの透水性も大幅に改善され、水密性が確保できたことが確認されています。

技術の未来展望



今後、このコンクリーション化技術を放射性廃棄物の地下処分に適用するには、周辺の岩盤を緻密化するための技術も必要です。安藤ハザマはこれを低コストで実現し、建設分野にも応用していく方針です。技術の進展は、原子力分野だけでなく、インフラの老朽化問題にも貢献し得ると考えられています。

まとめ



この研究成果は、放射性廃棄物処分施設の安全性を高める新たな一歩となります。安藤ハザマは今後も研究開発に注力し、持続可能な社会づくりに貢献することを目指していきます。


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会社情報

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