発注者保護制度
2023-10-06 12:15:23
施工店の倒産リスクから発注者を守る新たな保証制度の誕生
施工店の倒産リスクから発注者を守る新たな保証制度の誕生
2023年11月1日、株式会社EMAコンサルティングは新たな保証制度「施工店倒産時保証制度」の運用を開始する。この制度は発注者主導型で、施工店が倒産した場合に発注者を守るために設けられたものである。従来の保証制度とは異なり、施主の意向に基づいて保証が提供される点が大きな特徴である。
背景
日本の建設業界は、最近の経済状況から倒産リスクが高まっている。2023年度上半期の倒産件数は、過去14年間で最も多くの業種で前年を上回り、特に建設業は全体の約20%を占める深刻な状況にある。これに対し、発注者を保護するための保証が必要とされていたが、共同住宅(マンションやアパートなど)に特化した保証制度は不足していた。
これまで戸建住宅に対しては多くの保証制度が存在していたが、共同住宅に関してはほとんど選択肢が無く、唯一存在する制度は認定ハードルが高く、施工店に事前登録を求められるため、多くの発注者にとって利用しづらいものであった。
新制度誕生の経緯
このような状況を踏まえ、EMAコンサルティングは市場調査を行った際、中小施工店の多くが「自分たちが倒産するとは思わない」という認識の下、保証制度に参加する意欲が低いことを知った。これは発注者、市場の保証会社、施工店の間に微妙なギャップがあることを示している。
そこで株式会社EMAコンサルティングは、複数の保険会社に対して新たな保証制度の開発を依頼するも、その多くが門前払いという状況だった。しかし、2023年3月に三井住友海上火災保険株式会社との接点を得て、念願の「施工店倒産時保証制度」の実現へと繋がった。
ビジネスモデルとその意義
この制度は、発注者が施工店から直接サービスを受ける構造を持ち合わせており、中間マージンを排除して建設することができる。これにより、発注者は低コストで適正な品質の物件を得ることが可能になる。
一方で、施工店の倒産リスクを発注者が抱えるという問題もあった。この新たな保証制度により、発注者はそのリスクから保護され、建築プロジェクトを安心して進めることができる。「発注者主導型」という新しい発想が、多くの発注者に安心感をもたらすだろう。
今後の展望
株式会社EMAコンサルティングは「一人ひとりが目指す輝かしい未来の実現」という理念の下、今回の新制度の全国普及を目指している。初めは主要都市を対象にしつつ、徐々にエリアを拡大していく予定だ。また、全社員がこのプロジェクトに関与し、社会貢献を果たすことが同社の使命と考えている。
このように、新しい保証制度「施工店倒産時保証制度」は、発注者が施工店の倒産リスクから保護される未来を切り開くものであり、注目が集まっている。今後の取り組みにも期待が寄せられる。
会社情報
- 会社名
-
株式会社EMAコンサルティング
- 住所
- 東京都港区虎ノ門4-3-20神谷町MTビル14階
- 電話番号
-
03-6435-8740