珠洲焼復興への新たな一歩:奨学金制度が設立されました
珠洲市、そしてその伝統工芸である珠洲焼の復興が期待される中、新たな支援策として「珠洲焼研修生奨学金制度」が創設されました。この制度は、能登半島地震によって甚大な被害を受けた珠洲焼の復兴と持続的な発展を目的として設立され、一般社団法人「珠洲焼みらい基金」が中心となって運営されます。
珠洲焼とその歴史
珠洲焼は、12世紀から15世紀の間に生産された、日本を代表する中世の陶器の一つです。珠洲市の特製の鉄分を含む土を高温で焼くことで、特徴的な灰黒色が生まれます。一度生産が途絶えたものの、1970年代に復活し、地域の伝統産業として根付いてきました。しかし、最新の能登半島地震では約20の窯が全滅してしまい、現在稼働している窯はわずか5つにとどまっています。
奨学金制度の詳細
「珠洲焼みらい基金」は、アンリツ株式会社、浜松ホトニクス株式会社、ヒロセ電機株式会社などが賛同し、共同でこの奨学金制度を運営します。対象となるのは珠洲市が開設する「珠洲焼基礎研修過程」の研修生たちです。この制度では選考を経て、研修期間中の2年間にわたり奨学金が給付されます。
この研修過程では、初年度に作陶技術の講義や実技を学び、2年目には研究制作や商品企画、デザイン講座、市場調査に焦点を当てた教育が行われます。
復興を支えるメッセージ
珠洲焼創炎会の会長である篠原敬氏は、今年で復活から46年目を迎える珠洲焼の魅力を強調しています。「珠洲焼は、時間と手間をかけながら生み出され、奥能登の生活に深く根付いた焼き物です。この素晴らしい文化をこれからも大切にしていきたい」と語ります。
また、震災後も地元に残る卒業生たちは、窯元を目指して努力し続けているとのこと。現在の研修生たちにもその意志を継いでほしいと考えています。今、彼らに必要なのは温かい声援です。この奨学金制度を通じて、後継者育成への全面的な支援が求められています。
まとめ
珠洲焼の文化を守り、復興を目指すこの奨学金制度は、次世代の陶芸家を育てる重要な一歩です。地域の産業振興や文化の復活に向け、積極的な支援が行われることが期待されています。これからも珠洲焼が持つ独特の魅力を発信し続けるために、私たち一人一人がその応援の輪を広げていくことが不可欠です。
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