千葉県流山市で、新たなスモールモビリティの実証実験が始まりました。「ナガレヤマ・モビーズ」と名付けられたこの取り組みは、地域独自のパッケージを用いた電動キックボードシェアリングサービス「TOCKLE」を中心に展開されています。流山スモールモビリティ推進プラットフォームの事務局を務める株式会社流山ツーリズムデザインが推進するこのプロジェクトでは、観光周遊の2次交通をサポートするため、地域の観光コンテンツをデザインしたラッピング車両を活用し、持続可能な運営方法と公共交通の補完可能性を実証します。
モビリティの背景と課題
流山市は住宅密集地の流山おおたかの森、歴史・文化が豊かな流山本町、豊かな自然が魅力の利根運河エリアの3つの地域から構成されています。これらのエリアは6km圏内に位置するものの、電車やバスの乗り継ぎが必要になり、観光消費の機会損失が課題となっています。この背景の中、流山スモールモビリティ推進プラットフォームは、観光周遊を支援するための新しい交通手段の構築を目指します。
TOCKLEの導入と今後の目標
今年度の第1弾として、電動キックボードシェアリングサービス「TOCKLE」を導入します。11月上旬にはサービスエリアが流山おおたかの森駅、南流山駅、利根運河周辺へと拡大を計画しています。この実証実験は国土交通省の共創モデル実証として実施され、地域住民だけでなく観光客にも利用されることを目指しています。
ナガレヤマ・モビーズの特長
「ナガレヤマ・モビーズ」では、電動キックボードを始め、将来的には高齢者にも配慮した3・4輪型の小型モビリティや自動運転バスなどを導入し、公共交通機関を補完するネットワークを構築します。特に「TOCKLE」はGPS制御によるジオフェンシング機能を搭載しており、安全性を確保した移動を提供します。また、流山市の観光プロモーションプロジェクト「ナガレヤマイイカモ」のカモフラージュデザインが施された100台の電動キックボードが投入されます。
利用方法とサービスエリア
利用者は専用アプリをダウンロードし、クレジットカードの登録と身分証明書による年齢確認が必要です。貸出は午前4時から午後10時まで行っており、料金は基本料金50円に対して利用料金が1分毎に12円追加となります。長時間パックとして24時間利用の場合は500円です。
流山市は、この取り組みを通じて観光消費の拡大、地域住民の移動の利便性向上を図るとともに、流山の魅力を深く体感してもらう機会を創出していく予定です。流山スモールモビリティ推進プラットフォームの活動に注目が集まっています。